Q20 八ッ場ダム建設について日本共産党はどう考えていますか


八ッ場(やんば)ダムは、群馬県長野原町を流れる利根川支流の吾妻川中流部に建設されるダムです。このダムによって川原湯温泉や吾妻渓谷が水没することになっています。工事費だけで4,600億円、総事業費は1兆円をこえると試算されています。国交省と首都圏の1都6県ですすめているダム建設です。
 
治水にも、利水にも役に立たないまったくムダなダム事業で日本共産党は、ただちに建設をやめるよう国会でも県議会でも、市や町の議会でも求めつづけています。
 
第一に、利水ですが、埼玉の市町村が2005年度に埼玉県から購入する予定の水は1日最大196万6千㌧、毎秒22.8㌧です。一方、埼玉県が市町村に給水しようとしている水は1日最大278万9千トン、毎秒にして32.3㌧です。現実の状態は「水あまり」になっています。ダム開発等による水利権の取得は、こうした市町村の多大な計画受水量に基づいて計画が立てられ、これが、埼玉県が八ッ場ダム建設に参入する根拠にもなっています。いま社会は年々「節水型」になり、水の需要は減少傾向にはいってすらいます。
 
第二に、治水はどうでしょうか。ダムの貯水量は1947年のカスリン台風を前提にしています。カスリン台風の時、利根川・八斗島付近の水量は17,500㌧でした。八ン場ダムができれば、それが22,000㌧になっても洪水から守れると想定しています。カスリン台風は大きな台風で甚大な被害をもたらしました。当時は戦争直後で山は荒れ放題でした。その後、山の保水能力は急速に改善し、同じような台風の場合でも、八斗島付近で流量が10,000㌧をこえたのは1951年の1回だけです。治水計画もいい加減です。ダムに頼る治水から山林の育成、遊水池の保全など自然の力をつける治水計画こそ21世紀型の治水政策と考えます。
 
結局、川辺川ダム、諫早湾干拓などと同じで、「計画したものはどんな理屈をつけてもやる」という露骨な姿勢そのものが八ン場ダム建設事業です。ムダな公共事業は国民に借金をおしつけ、自然を破壊し、逆にダムの決壊など危険を増大させるだけです。スーパーゼネコンを喜ばすだけです。
 
こんなところに税金を使う前に県民にとって必要な、学校の耐震工事、生活道路の整備、養護学校不足の解消、特養ホームや保育所の建設、水害対策などなどやらなければならない公共事業は山ほどあります。