Q34 上田知事は「従軍慰安婦はなかった」と発言していますが、なぜそんなことをいうのでしょうか


上田知事の独特な歴史観にもとづく発言です。上田知事は日中戦争、太平洋戦争を日本にとってやむにやまれぬ戦争、聖戦だったという立場にたっています。2,000万人ものアジアの人びとの命を奪った戦争が日本にとってやむにやまれぬ戦争だったなど絶対に弁解できないことです。絶対にくりかえしてはならない日本による侵略戦争だったことを日本も国際社会も確認して戦後の政治はスタートしました。国連も国連憲章もその立場です。
 
戦後60年、この世界の規範をくつがえす動きが日本国内で活発になっています。その中心が憲法改悪です。上田知事の立場もそこになります。
 
そのためには、60年前の戦争が「侵略戦争だった」ことを何とか否定しなければなりません。そのための象徴的な材料になっているのが「南京大虐殺などなかった」ということと、「従軍慰安婦などなかった」ということです。
 
上田知事はそのことが政府資料に明確に書かれていないことをもって「証拠がない」といっているだけです。だいたい、軍や政府が「売春慰安所を設置してよい」「強制連行を認める」など文書を残すはずがないでしょう。捕虜の虐殺だってそうです。やってはならないことが日常的にやられるのが戦争です。
 
戦前、日本では恥ずかしいことですが「公娼施設」がありました。売春が公認されていたのです。戦地にもありました。これを監督し取り締まったのは内務省警察・植民地警察・外務省警察などの文民警察です。ところが、陸軍慰安所については憲兵の管轄とされていました。この事実一つとって陸軍慰安所が軍の兵站施設(作戦軍のために後方であたる任務)、軍人・軍属専用の性欲処理施設であったことは明らかです。
 
上田知事の見解は、歴史の真実から目をそらすきわめて政治的・恣意的な立場です。