【新座市】固定資産税27年間取り過ぎ 工藤市議「全面返還、親身な徴税対応を」

埼玉県新座市が、税を滞納していた配管業の60代夫妻の家を差し押さえ、売却したあとに、固定資産税を27年間にわたり取り過ぎていたことが分かった問題で、日本共産党の工藤薫市議は18日、市議会一般質問で、過誤徴収分の全額返還と徴税対応の改善を求めました。

夫妻は1986年、100平方㍍の敷地に住宅を新築。200平方㍍以下の小規模住宅用地の固定資産税は6分の1に減額する特例がありますが、市は特例を適用せず課税し続け、本来、年4万~5万円のところを11万~12万円を請求していました。夫妻は、固定資産税の本税は納税していましたが、延滞金(年率14.6%、今年1月から9.2%)が増え続け、2005年ころから本税の支払いも困難になりました。市県民税の滞納なども重なり、昨年10月、家が公売にかけられました。

ところが、家を購入した不動産業者の指摘で過徴収が判明。市は今年4月、法令に基づき20年前にさかのぼって約240万円を夫妻に返しましたが、家は戻りませんでした。

16日の市議会で、須田健治市長は「いかなる理由であっても許されないことだった」と陳謝。再発防止に年内に全戸4万5000棟を調査すると述べました。

工藤市議は「本人は、本来の税額なら払えたかもしれないと言っている。どんな思いで家を追い出されたか知っているのか。20年分にとどめず、慰謝料として残りの7年分も払うべきではないか」とただしました。

須田市長は、市に200件を超える批判の声が寄せられていることを明らかにし、「できる限りの対応を検討する」と答えました。

工藤市議は、滞納の責任を夫妻に押しつけようとする市長の姿勢をただし、「必死に納税している市民に対し親身になってほしい」と述べ、家の公売などの前に、世帯主との面談や延滞金の減免など、きめ細かく対応するよう求めました。(赤旗2014年6月18日付より)