●署名不正疑惑にふた 図書館移転請願 上尾市議会委が採択

共産党は反対

埼玉県上尾市の市立図書館移転計画について、新図書館建設の「早期実現を求める請願」の審議が8日、市議会文教経済委員会で行われ、保守系の新政クラブと公明党などの賛成で可決されました。日本共産党は反対しました。

請願に付された1万1619人分の署名をめぐっては、市民から、署名を推進した市議が本人意思を確認しないままの「代理署名」を指示していたとの告発があり、署名が不正に水増しされた疑惑が持ち上がっています。市議会に提出された署名を複数の市議が回覧し「同一筆跡の署名が200近くあった」と証言しています。

委員会では、共産党や政策フォーラムが「請願の署名は自筆が原則。代理なら押印が必要だが、同一筆跡の署名にはそれがない」と指摘し、委員会として署名の有効性を確認するよう提案。しかし、新政クラブなどは「同一筆跡かどうか判断できない」として拒否しました。政策フォーラムが継続審査とするよう動議を出しましたが、3対3の可否同数で、委員長採決で否決し、ただちに請願を採択しました。

移転計画をめぐっては、「上尾の図書館を考える会」が1万3598人分の署名とともに計画の是非を問う住民投票条例の制定を直接請求しています。委員会を傍聴した、会の土屋豊子代表世話人は「市民の疑問に応えず非常に残念」と話しました。

(「しんぶん赤旗」12月9日付より)