埼玉県 世界の流れに逆行 年齢で障害者差別やめて


埼玉県は、重度心身障害者の医療費無料制度について、来年1月から65歳以上で新たに重度障害になった人を対象から外すことを狙っています。「年齢差別はやめよ」と反対の声をあげている障害者団体「埼玉の障害者福祉医療制度の充実を求める会」の平林彰代表(70)に聞きました。(埼玉県・川嶋猛)

 


埼玉の障害者福祉医療制度の充実を求める会代表

平林彰さんに聞く

平林彰私たちは、県の計画が分かった1月から県庁前でのビラ配布や昼休み宣伝行動などを行ってきました。

医療費負担は、高齢者にとって大変な問題です。年金が下がってきているのに病院にかかることが増え、とりわけ障害者はいくつもの診療科を受診する必要があります。

重度化する人も

軽度の障害が65歳を過ぎてから重度になる人もいます。さいたま市の障害者政策委員会でも「年をとってから重度化する人が多い」という話がありました。県は、“65歳以上の人は医療費を負担できる資産を持っている”などといいますが、高齢者の生活実態を無視した無責任な説明です。

県は“この制度は生まれつきや若い時に重度障害になった人のためのもの”だとも言っていますが、高齢で障害者になった人への差別であり、生まれつきの障害者などに対する別の差別につながる面も持っています。

政府は条約批准

障害のない人と同等の権利を保障することを定めた国連の障害者権利条約を、日本は批准しました。県は国際的な流れにも逆行しています。私たちは、権利条約の立場で県に施策の存続を求めていきます。

県は年齢制限の一方で、精神障害者1級で外来診療の医療費を新たに助成対象に加える改善策を打ち出しました。しかし、1級では対象者が少なく、2級まで広げるよう求めています。

私たちは、県内の障害者団体と協力して、制度改悪の問題点と障害者の生活実態を発信し、市町村にも働きかけて改悪を食い止めたい。また、県が今後さらに狙っている所得制限を断念するよう運動を強めます。

 


 【解説】埼玉県重度心身障害者医療助成制度

身体障害者1~3級、知的障害者Ⓐ、A、Bの人などが対象で、県と市町村が費用を半分ずつ負担しています。約15万人が受給。新規受給者の6割が65歳以上で、年齢制限が行われれば受給対象に加えられない人は年間約1万3000人にのぼります。
(赤旗2014年3月23日付より)