“国民取り締まる時代にしてはならない” 埼玉弁護士会がつどい/山田洋次監督が講演

講演する山田洋次監督=2014年12月4日、さいたま市

講演する山田洋次監督=2014年12月4日、さいたま市

埼玉弁護士会は4日、さいたま市の大宮ソニックシティで「憲法と人権を考える市民のつどい」を開き、1200人が集まりました。映画監督の山田洋次監督と中央大学の植野妙実子(まみこ)教授が平和や憲法について講演しました。

少年時代に、満州(中国東北部)で日本人が中国人を抑圧する様子を見た山田監督は「アジアの人に迷惑をかけ、謝罪することがどうして悪いのか」と述べ、過去の戦争を反省することを「自虐史観」と攻撃する勢力を批判。戦前、国の意に沿わない人たちが「アカ」「非国民」という言葉で犯罪者扱いされたことを「人を乱暴にくくるやり方は間違い。ぞっとする言葉が平気で使われる時代に絶対にしてはいけない」と強調しました。

スタッフが劣悪な条件で働かされている映画界の現状にもふれ、「どんな映画を作りたいか考える余裕がない。映画作りを一生の仕事にしようと思える環境にしないと日本映画の再生はない」と述べ、「環境改善を政府は真剣に考えるべきだし、映画人も要求しなければならない」と語りました。

植野教授は、秘密保護法や集団的自衛権と憲法との関係を語りました。

参加した20代の女性は「戦争は最大の人権侵害だという話はその通り。憲法9条を持つ日本が世界に誇れるようにしてきたい」と話しました。(赤旗2014年12月6日付より)