「育休退園」通園認める/さいたま地裁 所沢市の執行停止

第2子以降の出産で保護者が育休を取得すると、保育園に在園する上の子を退園させる埼玉県所沢市の「育休退園」の制度により長女(3)を8月末で退園させられた保護者が退園の執行停止を申し立てていた件で、さいたま地裁(志田原信三裁判長)は9月29日、訴えを認める決定をしました。これにより長女は今月から通園ができることになりました。執行停止の期間は申し立てと同時に起こした退園処分取り消し訴訟の一審判決が出てから40日まで。

地裁の決定は、保育園で学ぶことが出来る集団生活のルールや人間関係などの重要性を指摘し、保育園に通園できなくなったことは「児童の人格形成に重大な影響があることは明らかである」と強調。「継続的に保育をうける機会を喪失することによる損害は看過し得ないとみる余地が十分にある」とし、執行停止は「緊急の必要がある」と認めています。

また、行政手続き法で定めた「聴聞手続き」を保護者に対して行わずに退園処分を決めたことを「違法とみる余地がある」と指摘しました。

保護者側の弁護団は「保育を受ける権利を正面から認める優れた決定だ」と評価。また、裁判所が市の法的手続きの不備を認めたといえると指摘し「育休退園」の制度自体を白紙に戻し、市民・保護者らと子育てしやすい制度つくりについて十分話し合うべきだ」としています。

(しんぶん赤旗2015年10月2日付より)

【所沢市】“戦争法廃止の出発点に” 平和まつりに1000人/塩川氏あいさつ

カチャーシーを踊る柳下礼子県議(右端)ら=2015年9月20日、所沢市

カチャーシーを踊る柳下礼子県議(右端)ら=2015年9月20日、所沢市

戦争法の強行採決に抗議して平和を守ろうと20日、埼玉県所沢市の航空記念公園野外ステージで「第8回ところざわ平和まつり」(主催・実行委員会)が開かれ、1000人以上が訪れました。

ステージでは歌やダンス、演奏、沖縄のエイサーなどが披露され、フィナーレでは参加者全員でカチャーシー(沖縄手踊り)を踊りました。

日本共産党の塩川鉄也衆院議員、伊藤岳参院埼玉選挙区候補、「市民が主役の会」の市川はるひこ市長候補があいさつしました。

塩川、伊藤の両氏は、共産党が戦争法廃止のための「国民連合政府」の実現を呼びかけたことを報告。「安倍政権を退陣に追い込み、新たな政権のもとで戦争法を廃止するために、きょうをその出発点にしましょう」と呼びかけると、会場からは大きな拍手が起こりました。

市川氏は、「市長選への立候補を表明している中で戦争法に反対している候補は自分だけだ」と強調。小中学校のエアコン問題や保育所の「育休退園」問題など、市民の願いに背を向ける市政の転換を訴えました。

(しんぶん赤旗2015年9月26日付より)

所沢市長選に市川氏を推薦

日本共産党埼玉西南地区委員会は13日、所沢市長選(10月11日告示、18日投票)で、「市民が主役の会」の市川はるひこ(治彦)氏(62)=無所属、新=を推薦すると発表しました。

市長選は、現職の藤本正人氏(53)と、保守系の元市議も立候補を表明しています。

 

市川氏の略歴

横浜市立大学卒。所沢市内で中学校教諭を35年間務め、現在、所沢地区労働組合協議会議長。

【所沢市】「育休退園」やめさせよう 保護者・保育士ら集会

埼玉県所沢市が、第2子以降の出産で育児休業を取得すると、保育園に在園中の上の子を退園させる「育休退園」制度を実施している問題で、市内の保護者や保育士などでつくる「安心して子育てできる街にしたい!!会」が6日、集会を開きました。

同市では今年4月から、母親が病気などの場合を除き、育休を取得すると在園中の上の子は出産した翌々月で原則退園となりました。6月には、市内の保護者らが市に対し「育休退園」差止めを求めて、さいたま地裁に提訴しました。

帝京大学の清水玲子教授と、「育休退園」差止め訴訟の原告弁護団の北永久弁護士が講演。北氏は、市が「育休退園」を導入するにあたり、「子ども・子育て会議」で一度も議論していないことや、保護者らに制度の導入が通知されたのが今年2月末から3月初旬だったことを示し「市の裁量権を逸脱したものだ」と指摘しました。

清水氏は、子どもは保育園で友だちと遊ぶ楽しさを味わう中で成長すると述べ、「自分たちがつくった生活を奪われることを、子どもは理解も納得もできない」と指摘し、市の対応を批判。「どの親も子も泣かないですむように、当事者同士で手をつないで頑張りましょう」と呼びかけました。

(しんぶん赤旗2015年9月8日付より)

8月末「育休退園」所沢市通知 保護者、撤回へ提訴 さいたま地裁

第2子以降の出産で育児休業(育休)を取得すると、保育園に在園する上の子を退園させる埼玉県所沢市の「育休退園」の制度で、8月末で退園の通知を受けた保護者が8月31日、市の決定は違法だとして決定の取消を求める訴訟を、さいたま地裁に起こしました。

原告は、「育休退園」をめぐって6月に、ほかの保護者らとともに市に対して退園処分を行わないよう、差止め請求の裁判を起こしていました。しかし、市が8月13日に保育継続不可の決定を出したため、処分取り消しの訴訟を新たに起こしました。

記者会見で、原告の女性(30)は「3歳4ヶ月の娘には、『明日から保育園に行けなくなる』とは伝えられていない。娘は保育園でたくさんの子とかかわりあい、成長している。これからも所沢市で暮らしたいと思っていたのに、また子どもたちの気持ちや成長を無視した施策が一方的にやられてしまうのではと、不安でたまらない」と訴えました。

原告弁護団の原和良弁護士は「多くの保護者に不安を与えた『育休退園』制度は白紙撤回すべきだ」と指摘しました。

(しんぶん赤旗2015年9月2日付けより)