レッド・パージは国民を弾圧 埼玉連絡会が総会/若者に体験伝えよう

レッド・パージ反対埼玉連絡会は11月28日、川越市内で第4回総会と講演会を開きました。

日本共産党員であることを理由に1950年前後に職場を解雇された、県内在住の被害者の体験を伝えるパンフレット『聞いてください! 私のレッド・パージ体験』の普及や被害者の名誉回復と国家賠償を求める国会への請願署名、埼玉弁護士会への人権救済申し立てなどの活動を引き続き強めていく方針を確認しました。

高木太郎弁護士が講演。非正規労働者の増大など今日の働く現場の実態を報告し、労働者が声をあげられない状況がレッド・パージの時代と共通していると語りました。レッド・パージで共産党員らが国民から引き離された一方で、被害者たちが民主的な組織をつくりあげてきたと指摘し「多数派を形成し、歴史の教訓として二度と繰り返さないために、若い世代に事実を伝えよう」と呼びかけました。

参加者から、「レッド・パージは共産党員だけへの弾圧ではなく、国民への弾圧だ。人権侵害に反対するたたかいと運動を広げていきたい」などの発言がありました。

共産党の伊藤岳参院埼玉選挙区候補が司会を務め、治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟県本部の矢島恒夫会長、荻原初男共産党県委員長があいさつしました。

(しんぶん赤旗2015年12月4日付より)

レッドパージ救済を/被害者 弁護士会に申し立て

日本共産党員や支持者などが職場を解雇された「レッドパージ」の埼玉県内在住の被害者が26日、埼玉弁護士会に人権侵犯救済の申し立てを行い、被害者の名誉回復や損害賠償を国に勧告するよう求めました。申し立てたのは、1950年に官庁や郵便局、国鉄、民間企業を追われた80代の男女5人。

埼玉弁護士会に申し立てるレッドパージ被害者。左端は伊藤氏=2014年8月26日、さいたま市

埼玉弁護士会に申し立てるレッドパージ被害者。左端は伊藤氏=2014年8月26日、さいたま市

レッドパージ反対埼玉連絡会の権田圭助世話人、伊藤岳事務局員(日本共産党参院埼玉選挙区候補)らが同席しました。

郵便局に勤めていた田中宗太郎さん(85)=深谷市=は「企業の秘密をもらすおそれがある」などの理由で解雇されました。記者会見で田中さんは「憲法や国際法の流れからみて国は誤りを認めるべきです」と訴えました。

商工省(現経産省)の職員だった浅野径さん(85)=ふじみ野市=はレッドパージ後に再就職先も短期間で追われて正規の仕事に就けず、年金が少額になるなど現在の生活にも支障が及んでいると話しました。

中外製薬を解雇された児島重助さん(88)=ふじみ野市=は、労働組合に分断が持ち込まれ、たたかう労働者が排除されていった状況を語りました。

代理弁護人の伊須慎一郎弁護士は「国が被害者の救済を64年間放置してきたことは法治国家として認められない。憲法に根ざして政府、国会、最高裁は動いてほしい」と述べました。

レッドパージ被害者については、日弁連や地方の弁護士会が人権救済を勧告しています。

 

レッドパージ

1950年の連合軍総司令官マッカーサーの指令による日本共産党や支持者の公職追放に前後し、米占領軍の示唆を受けた日本政府や財界が共産党員や労働組合活動家など3万から4万人を職場から追放した事件。被害者は、思想・信条の自由が侵害され、生活苦を強いられたとして国に名誉回復と国家賠償を求めています。

(赤旗2014年8月27日付より)