“重い障害、理解して” 小児医療センター現地存続求める/埼玉でシンポ

小児医療センターのシンポジウムで「実態を知って」と発言する患者の家族ら=2014年11月24日、伊奈町

小児医療センターのシンポジウムで「実態を知って」と発言する患者の家族ら=2014年11月24日、伊奈町

小児専門の高度医療を行う埼玉県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)を、さいたま新都心(同市中央区)に移転させる計画について、市民団体の「県立小児医療センターの現在地存続を考える連絡会」は24日、伊奈町の県民活動総合センターでシンポジウムを開き、患者の家族や地域の住民ら115人が参加しました。

「重い障害を持った子どもの家族の生活がどんなものか知ってほしい」と訴えた鳥嶋美家(みや)さん=さいたま市=は、呼吸困難などの障害がある娘の看護で24時間つきっきりの生活を語り、「医療センターに通う家族は精神的な負担から、人目を避けたり、待合室で泣いてしまう人もいる。そういう人が通うのになんで新都心なのか。理解せず移転が進められているのが問題」と語りました。

「蓮田の会」の島村みき子さんは、地域の自治会をはじめ、多くの住民からセンター存続の署名が寄せられていることを紹介し、「八王子の小児・障がい者医療を考える市民の会」の安藤美知子代表は、八王子、清瀬、梅ケ丘の都立3病院存続の運動の経験を発言しました。

済生会栗橋病院院長補佐の本田宏医師は、医療の充実を阻んでいる医師の絶対的不足や医療費抑制政策の問題を指摘し、「投票に行き、政治を変えよう」と呼びかけました。

県は移転後の跡地に民間の在宅治療支援施設を整備する方針です。しかし、救急や入院機能を備えた専門病院を残すよう求めている患者家族らは「要求とはほど遠い」と納得していません。(赤旗2014年11月26日付より)

埼玉県立小児医療センター移転計画 残った機能も民間移行/県が計画提示

“専門病院残して”患者家族訴え

埼玉県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)を、さいたま新都心(同市中央区)に移転(2016年秋ごろ予定)させる計画について県は3日、同センターで、患者の家族を対象に、現在地に残す機能の説明会を開きました。7月の説明会で素案を示し、今回は確定した計画を提示しました。

それによると、現在地には、NICU(新生児集中治療室)から在宅治療へ移行するためのトレーニングや、介護疲れを軽減するための短期入所、デイケアなどを行う「医療型障害児入所施設」整備する方針を示しました。運営は社会福祉法人などにゆだね、県は財政支援などをするとしています。

同施設ができるまでの間は、県が移転によって通院の負担が大きくなると判断された患者を対象に、週2日の予約制外来診療を実施。また、週5日、患者を預かるデイケアや在宅支援相談などを行います。

担当者は、県が責任を持つ「現在地に残す機能」を民間が運営する施設に「できるだけ早く移行させたい」と述べ、県の施設をなくしていく考えを表明しました。

患者の家族は、センターが県東部の小児医療の拠点になっている実態をあげ、「イベントなどで混雑する新都心では救急が間に合わないかも知れない」「現在地に新病院の分院などの形で残してほしい」などと涙ながらに訴え、救急や入院機能を持った専門病院を残すよう求めました。(赤旗2014年11月6日付より)

埼玉県立小児医療センター移転問題/入院・救急対応の病院残して 県の報告受け柳下議員迫る

県議会委

柳下礼子県議

柳下礼子県議

6日の埼玉県議会福祉保健医療委員会は、県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)のさいたま新都心(同市中央区)への移転(2016年予定)に伴い、現在地に残す医療・福祉の機能について県から報告を受け、審議しました。

日本共産党の柳下礼子県議は患者・家族が要望する入院や救急対応できる病院として残すよう求めました。

県の報告によると、現在地では、新センターへの通院が困難とされた患者171人を対象に、気管切開管理やリハビリなどの「日常的な医療管理」を週2回程度実施するほか、在宅治療をしている患者のデイケアや相談活動を行います。

また、社会福祉法人などの運営を念頭に、レスパイト(介護疲れ予防のための一時預かり)や外来診療などを行う、重症児の在宅療養を支援する施設をつくる計画です。

柳下氏は、「日常的な医療管理」機能について「十数もの診療科にかかる必要のある患者は、現在地で1科目だけ見てくれても、『あとの科目は新都心で』となったら負担軽減にならない」と指摘。新センターへの搬送では間に合わない急患もいると述べ、入院機能や救急体制を備えた小児専門病院として残すべきだと主張しました。

在宅療養支援施設について、柳下氏は「不採算部門であり、引き受け手がいるのか。県が責任を持って運営すべきだ」と指摘しました。また、医師体制についてただすと、県は24時間常駐させると答弁し、柳下氏は「医師を置くのなら病院併設の施設にしたらどうか」と述べ、検討を求めました。(赤旗2014年10月8日付より)

小児救急の弱体化ダメ/住民・家族、県に迫る

埼玉県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)の移転問題で、センター周辺市町の住民でつくる「県立小児医療センターの現在地存続を求める連絡会」は19日、「患者家族の会」の署名と合わせてセンター存続を求める署名1204人分を県に提出しました。連絡会と家族の会の署名は今回の提出分を含めて14万6700人分にのぼりました。

患者家族や地域の声を伝える連絡会の人たち=2014年8月19日、埼玉県議会

患者家族や地域の声を伝える連絡会の人たち=2014年8月19日、埼玉県議会

県は、2016年にセンターを、さいたま新都心に移転し、現在地には重症児に限定した、週数日程度の開院で予約制の外来診療機能を設置する案を示しています。

蓮田市の会員は、4月から2度、センターに救急搬送された重症児の家族の手紙を読み上げ、「(移転されることで)命綱を断ち切られる思いをしている」と強引に計画を進める県を批判しました。

春日部市の会員は、県東部地域の小児救急医療が弱体化すると指摘し「救急医療、入院体制を残してほしい」と、県が示す案の見直しを求めました。

県側は「移転によって、助かる命が助からないという事態が決してないよう体制を整える」と答えました。

日本共産党県議団が同席し、患者や地域、医療現場の声をくみ取った対応を県に求めました。(赤旗2014年8月22日付より)

「専門医療残して」小児医療センター移転に患者家族

埼玉県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)の、さいたま新都心(同市中央区)への移転問題で県は26日、患者家族を対象にした説明会を同センターで開きました。

県は、2016年に新センターを開院した後、現在地に残すとした「外来診療機能」について素案を提示しました。それによると、現在地では、移転で通院の負担が大きくなる患者171人(2012年調査時点)を対象に、吸引や気管内挿管した管の交換、一般小児外来、リハビリなど「日常的な医療管理」を実施。専門医療は行わず、開院日数も現在の週5日より少なくする意向です。

患者家族からは「夜間に具合が悪くなった場合に新都心まで行けないので現在地で対応してほしい」「容体が急変したとき開院していない日があっては困る」「最低限の救急外来、入院体制が必要」など、専門医療、救急体制を求める意見が相次ぎました。

しかし、県は「人や設備が二重に必要になる。特殊な医療は新病院に来てほしい」として、現在地の機能を一般内科診療に限定する考えを重ねて示し、参加者から失望の声が上がりました。

一方で、中村譲センター病院長は「(現在地の)この病院に(診療していない)電気が消えている時間があってはならない。救急も一度は診て差し上げたい。そういう意味でここは拠点。みなさんの気持ちを今後も県に伝えていく」と述べました。(赤旗2014年7月31日付より)