埼玉県議会報告/反動・党略的な対応の自民 共産党、県民の立場貫く

閣議決定の撤回を求めてデモ行進する参加者=2014年7月4日、さいたま市

閣議決定の撤回を求めてデモ行進する(前列右から)奥田智子、村岡正嗣、(一人おいて)柳下礼子の3県議=2014年7月4日、さいたま市

埼玉県議会6月定例会は6月23日から7月11日まで開かれました。今議会では、集団的自衛権行使容認に反対する国民的世論が増す中で、それに挑戦するかのように自民党が「憲法改正案の早期作成を求める意見書」を提出し、右派の「刷新の会」とともに可決強行するなど自民党の反動的な動きが際立ちました。一方で、国民・県民の立場で奮闘する日本共産党(3人)の役割も鮮明になりました。

 

請願の採択拒否

「早期改憲」意見書に対し、唯一、討論にたった日本共産党は「(意見書が示す)憲法改定の焦点は9条改悪にあることは明白だ」と指摘。安倍政権が憲法解釈の変更で行使容認の閣議決定をしたことを批判しながら「さらに明文改憲によって9条そのものを改悪し、海外で戦争する国づくりに全面的に踏み出すことは断じて許されない」と強調しました。意見書には民主党、公明党、社民党も反対しました。議会には、多数の県民が傍聴に詰めかけ、抗議の意志を示しました。閉会後、憲法会議などが浦和駅前で抗議宣伝を行いました。

議会には、集団的自衛権に反対する2件の請願が出されていましたが、自民党、公明党、刷新の会の反対で不採択になりました。共産党は請願に対する本会議討論を行うよう、議会運営委員会で主張しましたが、自民党が拒否。共産党は「討論封殺は民主主義に照らして許されない」と抗議しました。

 

党派超え共同も

集団的自衛権をめぐっては党派を超えた共同も実現しました。安倍政権が閣議決定した1日、共産、民主、社民の3会派が閣議決定の撤回を求める共同声明を発表し、3会派の県議が浦和駅前でそろって宣伝しました。この共同は昨年の、秘密保護法反対のたたかいに続くものでした。

県政課題をめぐっても自民党の党略的な動きが目立ちました。

今議会には、さいたま市大宮区役所の移転に伴う、県有地と市有地を交換する議案が上程されていました。当初、採択の先送りをほのめかしていた自民党は「地下鉄7号線延伸」などの実現を迫る付帯決議をあげることで議案に賛成しました。共産党は「議案と関係ない内容だ」と付帯決議に反対しました。

自民党によって継続審査にされていた県教育振興基本計画について、同党の修正案が今議会で可決されました。原案をわずかに変えただけの内容で、他党からも「いたずらに空白を生んだ」と批判が続出。共産党は、同計画が全国いっせい学力テスト推進の内容を含んでいるとして、原案・修正案とも反対しました。

共産党は団長談話で、筋の通らない自民党の議会対応を批判し、猛省を求めました。(赤旗2014年8月9日付より)