銃器携え公道通行 あすから入間など自衛隊が「邦人輸送」訓練

陸海空の自衛隊が17、18の両日、航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市、入間市)、陸上自衛隊入間基地相馬原演習場(群馬県榛東村)などで海外での「邦人輸送」を想定した統合訓練で、銃器を携行した隊員らを乗せた車両が公道を通行することが明らかになりました。防衛省15日、日本共産党の塩川鉄也衆院議員による聞き取りに答えました。塩川氏は訓練の中止を求めました。

 

住民・塩川氏「中止を」

訓練は、他国の領土内で自衛隊が海外在住の日本人を車両で輸送することを可能とした2013年の自衛隊法改悪にもとづき、昨年から実施(昨年は空自小牧基地など)。

在外邦人に見立てた隊員数十人を相馬原演習場から入間基地へ、初めて公道を使い輸送。地雷や爆弾の攻撃に耐えるとされる輸送防護車「MRAP」4両を含む車両17両が参加し、隊員は「警戒及び防護」のため銃器を携行します。

同省は公道ルートの事前公表を拒んでいます。

入間基地内では空自C130輸送機と陸自ヘリに移し替え、ヘリは相模湾上の海自輸送艦「くにさき」まで人員を運びます。戦争法で可能となった任務遂行のために武器使用ができる“邦人救出”訓練は今回見送られました。

聞き取りには入間基地近隣の狭山、入間、所沢の各市住民と猪股喜直党狭山市議が同席。住民は「銃を持って公道を通るのは新たなステップだ」「入間基地の入口近くには学校もある。訓練をやめてほしい」と訴えました。

塩川氏は、「訓練は戦争法の具体化であり、入間基地拡張計画にも連動した動きだ。中止を求める」と強調しました。

(しんぶん赤旗2015年12月16日付より)