基地の騒音やエアコン設置など、埼玉県所沢市の教育環境を考えるフォーラムがこのほど、同市内で開かれました。
市立狭山ヶ丘中学校のエアコン設置問題がテーマに取り上げられました。同中学校は航空自衛隊入間基地(狭山市、入間市)の騒音対策としてエアコン設置が予定されていました。しかし、2011年に就任した藤本正人市長が国の補助金を辞退して計画を中止しました。これに対して、計画実施を求めるのべ3万人以上の署名が集まるなど、市民から批判の声が上がっていました。
フォーラムでは、化学物質過敏症などに詳しい薬剤師の内田百合子氏や弁護士の小林善亮氏、元東京都国立市長の上原公子氏らが発言しました。
内田氏は、教室内が高温になるとシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド大量に揮発されるとして、窓を開けるなどの喚起が難しい騒音問題を抱える学校では特に、エアコン設置が必要だと指摘しました。
小林氏は、過去の基地騒音訴訟での最高裁判決が受忍限度を超え、違法だとしたW値(うるささ指数)75の範囲に狭山ヶ丘中学校も含まれるとして、子どもの学習権が保障されていないと述べました。(赤旗2014年5月29日付より)