さいたま市が市立大宮西高校(大宮区)を中高一貫6年制学校に移行しようとしている問題で、同校卒業生の保護者有志が22日、▽大宮西高を廃校にしないこと▽生徒募集を停止しないこと―を求める署名を690人分追加(累計1972人分)して市教委に提出し、要請しました。
5月に発表された移行案では、新校開校は2019年度で、校舎建て替えのために17年度から大宮西校の生徒募集を停止。前年の16年度入学生は下級生がいないまま卒業することになります。
計画に対し、多くの生徒や卒業生、保護者が「実質的な廃校だ」と計画に異議を唱えたため、市教委は計画の見直しを表明。今月21日に見直し案が明らかになりました。しかし、同案は募集停止を1年だけ遅らせるというもので、大宮西高生(3年生)と新校新入生(中学1年生)とのつながりは開校時の1年だけということになります。
署名提出で保護者は「部活動や生徒会などが活発な大宮西高の気風が継承できない」「(新旧生徒の)つながりが絶たれることの不利益は非常に大きい」などと訴えました。
市教委側は、募集を継続したままの建て替えはできないとの姿勢を変えず、見直し案が精いっぱいの対応だと説明しました。
要請には、日本共産党の戸島よし子、加川義光両市議、山本ゆう子市議候補(大宮区)が同席。山本氏は「中高一貫先にありきの姿勢が問題を招いている。もっと生徒や保護者、教職員の意見を聞き、計画を急ぐべきではない」と述べました。(赤旗2014年8月23日付より)