さいたま市大宮区の三橋公民館で起きた9条俳句掲載拒否問題をめぐって、さいたま市議会で自民党議員が不掲載を支持する質疑を行い、市民から批判の声が上がっています。
1日に開かれた市議会決算・行政評価特別委員会で、自民党の帆足和之委員は、同館俳句サークル会員が詠んだ「梅雨空に『9条守れ』の女性デモ」の句について「文芸を利用した一種の政治的なプロパガンダ(宣伝行為)になった可能性がある」と攻撃しました。
その上で、「文芸に値しない作品と感じる」「『9条守れ』という俳句が掲載されたときに連想するのはどの政党か」などと述べ、「世論を二分する問題をテーマにした作品は掲載できない」として、「公民館だより」への不掲載を決めた公民館と教育委員会の対応は「適切だった」と支持しました。
これに対し、日本共産党の加川義光委員はその後の質問で、公民館職員など公務員は率先して憲法を守る義務があり、現憲法下で「9条守れ」というのは当然だと指摘し「特定の政党だけで守るということではない」と反論。「俳句という文芸作品に対して掲載拒否という強硬な手段は、戦前の検閲と言論統制を思い起こさせる」と市の対応を批判し、不掲載の撤回して「公民館だより」へ俳句を掲載するよう求めました。
三橋地域住民有志として市に抗議などもしている、来栖イネ子さん(72)は「『文芸に値しない』なんて本当にひどい。めちゃくちゃなことを言っているし、『戦争する国づくり』を進める自民党の本質が表れていると思った」と話しています。(赤旗2014年10月16日付より)