埼玉県所沢市長選が11日告示、18日投票でたたかわれます。「市民が主役の会」の市川はるひこ候補(62)=無所属新、日本共産党推薦=は、市民の声が届く市政の実現をめざします。
市長選には市川氏のほか、現職の藤本正人氏(53)=自民党県連、公明党県本部推薦=、元市議の石井弘氏(63)、元衆院議員の並木正芳氏(66)が立候補を表明しています。
二つの問題
1期目の藤本市長は、教育や子育てなどの市民の願いを踏みにじる市政を進めてきました。
航空自衛隊入間基地(狭山市、入間市)の騒音対策としてエアコン設置が決まっていた市立狭山ヶ丘中学校について、12年に国の補助金を返上して計画を中止し、多くの市民から批判の声があがりました。
今年4月には、第2子以降の出産で育児休業を取得すると、保育園に通う0~2歳児クラスの上の子を退園させる「育休退園」制度を実施しました。
暴走する藤本市政に対し、改善を求める市民の運動が広がり、市政を動かしています。
今年2月には市民らの直接請求で、市内の小中学校の防音校舎にエアコンを設置することの是非を問う住民投票が実施され、賛成票(5万6921票)が3分の2を占めました。これを受けて、藤本市長は狭山ヶ丘中を含む2校について、エアコンを設置すると発表しました。
保育園の「育休退園」の問題でも、6月には保護者らが市を相手取り、退園差し止めを求めて、さいたま地裁に提訴。9月には8月末で退園となった長女の退園取り消しを保護者が求めた訴訟で、さいたま地裁は一審判決の40日後まで通園を認める決定を出しました。
運動の先頭
藤本市政のもとで起きた二つの問題について、市川候補は「市民の声を聞かない、市長の独善的な体質が表れている」と批判。「所沢市の主人公は市民であり、市民の声をよく聞き市政を運営します」と強調します。
市川候補は、市内の中学校で35年間教員を務め、エアコン問題での住民投票実施の際は「住民投票を成功させる会」の代表として、子どもたちの学習環境改善を求める運動に全力をあげてきました。市長選にあたって、市民の暮らしと平和を守る市政への転換を訴えています。
憲法違反の安保関連法(戦争法)に反対し、米軍所沢通信基地の全面返還を強調。市内の全小中学校へのエアコン設置や「育休退園」制度の撤回、毎年20億円以上の黒字の豊かな市の財政を活用して、認可保育園の増設、医療・介護支援体制の充実、市の緑を守る制度の創設などを掲げています。
(しんぶん赤旗2015年10月7日付より)