埼玉県議会文教委員会(田村琢実委員長)は9月2日、県立高校の日本史教科書の採択について閉会中審査を行いました。審査では、「日の丸・君が代」問題で「一部の自治体で強制の動きがある」と記述した実教出版の日本史教科書を、県教育委員会が学校の選定通りに採択したことをめぐって質疑がありました。
40人以上の傍聴希望者が集まりましたが、抽選となり、傍聴できなかった人が多くいました。
委員会後、日本共産党県議団が報告集会を開きました。委員会に所属議員がいないため、審議を傍聴した柳下礼子県議団長が報告。委員が執筆者の経歴などをあげて、実教出版の教科書を批判し、県教委に教科書採択について再考を迫ったと述べ、閉会中審査は「政治的圧力だ」と批判しました。柳下氏によると、県教委は再考するとは表明しませんでした。
集会では、埼玉県高等学校教職員組合の小野知二書記長が発言しました。今回の問題は埼玉だけの問題ではなく、安倍政権の「教育再生」路線のもとで、このような政治的介入が行われようとしていると指摘。「各学校は、生徒の実態に基づいて議論を重ねて教科書を選定してきた。それをきちんと守らせていく必要がある」と話しました。
委員会は、2回目の閉会中審査を13日に開くことを決めました。(赤旗2013年9月3日付より)