埼玉県議会で、県教育委員会の高校日本史教科書採択に対し一部の議員が不当な介入を行った問題で、「子どもと教育・教科書問題を考える県民集会」が25日、さいたま市内で開かれました。「子どもと教育・文化を守る埼玉県民会議」主催で、約80人が参加しました。
県議会文教委員会では「日の丸・君が代」問題で「一部の自治体に強制の動きがある」と記述した実教出版の教科書を選定した高校の校長を呼び出すなどして2回の閉会中審査を開催。本会議では県教委に採択の再審査を求める決議を自民党や保守系会派「刷新の会」などの賛成多数で可決しました。県教委は再審査を行わないことを表明しています。
埼玉県高等学校教職員組合の関原正裕中央執行委員長が講演し、この間の他県も含めた教科書攻撃の背景には、日本を戦争する国にし、それを担う人材をつくるという安倍政権の狙いがあると指摘。
地域や学校、生徒の実態を最も理解している現場の教員が選定した教科書を教育委員会が尊重することは当然であり、県議が介入することは、教育委員会の自主性、自律性を侵すとして「教育への政治介入は絶対に許してはならない」と強調しました。
来年度の教科書採択にむけて、「事実を県民に知らせて教科書採択への政治介入を許さない県民世論を広げよう」と呼びかけました。(赤旗2013年10月27日付より)