雪害支援 「実態にあった運用を」農家から要望

生産農家は、今冬の異常大雪によるビニールハウスや畜舎、果樹棚の倒壊被害から、「早く農産物を安定供給したい」と再生に踏み出しています。行政の支援策も従来枠はこえていますが、実際に作業を始めると、実態にあったきめ細かい対応が必要だとの声が出ます。

埼玉県深谷市は、関東の野菜供給地の一つです。消費地に近く、観光農園も盛んです。

ブドウ農園を経営している上原稔さん(58)は、「ハウス栽培は品質が良く、視察の人もあった。それが全部やられた。早く再生したい」といいます。業者にパイプの撤去を依頼しました。業者の作業見積もりは、国の定額助成額の2倍以上の10アール当たり60万円となりました。鋼材が32㎜と、通常のパイプより太いからです。「国の助成基準はパイプハウスで10アール当たり29万円、鉄骨ハウスは88万円だが、パイプハウスでも鉄骨ハウス並みのものがある。基準がおかしい」と上原さん。

再建計画では、大雪にも耐える単棟ハウス構造を希望します。しかし、県の担当者からは“原形復帰でないと補助の対象にならない”といわれたといいます。「雪にも強く、安くできるのに」と上原さんは訴えます。

野菜と苗の栽培をしている河野茂男さん(64)は、ハウスが半分ほど残り、生協などの供給を確保したいといいます。「ここは、関東の野菜産地だ。夏までにハウスの再建をしないと秋冬の安定供給に支障がでる」と心配します。「トンネルハウス」の鋼材も2000本つぶれました。同ハウスは、国の助成基準にありません。

被害の調査と農家の相談に応じている日本共産党の清水修市議は、「行政の基準は必ずしも実態にあわない。資材と業者も不足しているが、農家グループの作業に助成がある。現場から声を上げて改善していきましょう」と激励しました。(赤旗2014年3月18日付より)