「生活保護基準の引き下げは憲法違反だ」として埼玉県内に住む生活保護受給者25人が1日、国と自治体を相手取り、引き下げの取り消しを求めて起こした裁判で、提訴後に記者会見した原告は、保護費の減額は生活をいっそう悪化させると訴えました。
精神疾患を抱える30代の女性は「生活費の節約のために心身の負担が非常に大きい」と語りました。交友関係が疎遠になったり、精神疾患の自助会への参加をためらったりと困難が生じていると述べ「『今月は何とかなったが来月は大丈夫だろうか』と不安になり、必要な治療や休息が後回しになっている。一連の引き下げは当事者の実情を一切考慮していない」と訴えました。
佐藤晃一さん(47)=さいたま市=は「生きていくには生活保護に頼らざるを得ない。社会保障のあり方を問いたい」と語りました。
これまでも、美容院をがまんするなど節約してきたと話す浜田道子さん(77)=さいたま市=は、引き下げによって、スーパーの売り場で捨てられるキャベツやレタスの葉を食事の足しにするなど食費をさらに切り詰めていると訴え、「消費税が5%から8%になったのに何で引き下げか。怒りを感じる」と述べました。(赤旗2014年8月6日付より)