【所沢市】「育休取得で退園」に異議 保護者ら緊急集会

埼玉県所沢市が、第2子以降の出産で育児休業を取得すると、第1子を保育園から退園させようとしている問題で24日、市内の保護者、保育士らは「安心して子育てできる街にしたい会」を立ち上げ、緊急集会を開きました。

同市では、これまで第2子出産後の育休中も保育の継続利用が認められていましたが、2015年度から0~2歳児クラスの在園児は母親が病気などの場合を除き、継続して保育を受けられなくなります。

集会では、3人の子育てをしながら第4子を妊娠中の女性(36)が「三女がせっかく保育園に入れたのに、途中で退園になると聞いて、こんなことなら妊娠を遅らせた方がよかったのかもと思ってしまって嫌です」。2歳の息子を育て、妊娠7カ月の長谷川あやさん(30)は「楽しく通っている息子に『保育園に行けなくなる』とは言えない。声をあげたい」と語りました。

原和良、北永久の両弁護士は所沢市の制度について、子どもの発達保障・人格形成権や保護者の育児休業権を侵害し、少子化を促進させるものだと批判。訴訟を準備していることを明らかにしました。

 

「育休中も利用できる」

梅村議員らに厚労省説明

埼玉県所沢市の保育園退園問題で22日、日本共産党の梅村さえこ衆院議員が内閣府と厚生労働省の担当者から説明を受けました。柳下礼子県議、所沢市議団、保育問題協議会の代表らが同席しました。

子ども・子育て支援新制度では、保育を必要とする認定事由として「育児休業」を加え、国は子どもの発達上、環境の変化に留意する必要がある場合などは保育の継続が必要との方針を出していました。

内閣府担当者は、新制度の保育を必要とする認定事由の「育休」項目について、「これまで決まりがなかったものを、国として育休中も保育の継続利用ができると明記したもので、今やっているものを制限するという意味で決めたものではない」と説明しました。

梅村氏らは、母親らの不安の声を紹介し、「待機児童が多いから“育休中は上の子は(保育園を)やめてくれ”というのでは、説明がつかない。国から緊急対策などをするべきだ」と求めました。

(しんぶん赤旗2015年5月26日付より)