有力3氏を軸にした争いになっている埼玉県知事選(8月9日投票)は、憲法違反の戦争法案が一大争点です。候補者の中で、県民の「戦争法案ノー」の願いを託せるのは、柴田やすひこ候補(62)=無所属新・日本共産党推薦=だけです。
成立阻止に全力
「民主県政の会」の柴田氏は、23日の告示第一声で「埼玉から戦争法案を廃案に追い込む。それが一番の争点だ」と力説し、法案成立阻止に全力をあげる決意を語りました。
埼玉県内には、米軍、自衛隊基地が多く存在し、日本が海外で戦争する国になれば、それらの基地が海外派兵の拠点となります。柴田氏は、知事選の基本政策で、戦争法案など安倍政権の暴走政治に県民の明確な審判を下し、憲法を生かす県政への転換を公約しています。
軍隊保有を主張
一方、4選をねらう上田清司候補=維新の党支持=と、塚田桂祐候補=自民党県連推薦=は、「国政の問題だ」として告示第一声でも戦争法案に一言も触れず、国民的関心事に応えない無責任な態度に終始しました。しかし、両氏の言動からは、安倍政権の「戦争する国づくり」と根は一つであることが浮かび上がります。
塚田氏はフェイスブックで「9条2項を改正しない改正は拍子抜け。国軍保有が憲法改正の目的」と発言するなど露骨です。そもそも戦争法案成立に暴走する自民党の丸抱え候補で、法案に反対する過半数の国民世論との矛盾は明確です。
憲法9条を攻撃
上田氏も、定例会見などでたびたび「憲法9条はおかしな条文。きちっと改正すべきだ」「集団的自衛権は、権利はあるのに使えないのは法理論的におかしい」と述べるなど、安倍首相と同じ9条改憲が持論。また、告示第一声には自民党の鳩山邦男衆院議員が駆けつけ、二階俊博総務会長らから応援メッセージを受けるなど、知事選での自民党県連との対立は表面的な勢力争いにすぎません。
上田氏では、安倍政権の暴走政治から県民の命と暮らしを守る県政の実現は期待できません。
共産党と「民主県政の会」は「知事選は『戦争する国づくり』推進の候補か、憲法を守り、県民の命と暮らしを守る柴田候補かのたたかいだ」として、柴田氏の勝利に全力をあげています。
(しんぶん赤旗2015年7月25日付より)