小児医療センター現在地の機能 県が患者限定示す

埼玉県は7日、県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)を、さいたま新都心(同市中央区)に移転させたあとの現在地に残す機能について、対象を超重症児など新病院への通院が困難な患者に限定することを明らかにしました。

これは、県議会福祉保健医療委員会で明らかにしたもの。2016年の新病院開院の同時期に開始する計画です。

日本共産党の柳下礼子県議は、患者家族の声として「多くの人が利用できる医療機関にしてほしい」などの意見を紹介。患者を限定せず、患者の希望に応えた受け入れを求めました。また、患者家族に対して行うとした説明会(26日)を地元住民にも同時期に行うことを要望。県は「周辺自治体と相談して適切な時期に早急に実施する」と答えました。

県は、この日の委員会で、現センターの耐震上問題のない施設を活用し、デイケアや一時預かりなど障害者の在宅療養を支援する機能を整備する考えを示しましたが、施設の民間への貸し付けや売却も含めて検討する方針だと説明しました。

柳下氏は質疑で「民間ではなく県が責任を持って実施すべきだ」と主張しました。(赤旗2014年7月9日付より)

小児医療センター設計変更 コスト場当たり的 柳下氏批判

柳下礼子県議

柳下礼子県議

埼玉県議会福祉保健医療委員会は30日、さいたま新都心(さいたま市中央区)に移転する計画の県立小児医療センターの一部設計変更について審議しました。

変更は、地上13階・地下2階の計画を、電気設備などを高層階に移動させることで地下を1階に改め、コストを12億円低減させるというものです。

審議で、日本共産党の柳下礼子県議は「4月の臨時県議会で建設費を55億円増やす補正予算が可決されたばかり。今度は12億円の減額と場当たり的でずさんではないか」と批判しました。

また、県側から建設地の土壌中ヒ素濃度の追加検査の報告があり、調査した39地点すべてで環境基準を超え、深さで分けた調査では228検体中、98検体で基準を超えて(最大3.8倍)いました。

同じ敷地で並行して進められている、さいたま赤十字病院の移転工事の建設地でも100検体中25検体で基準を超える(最大19倍)土壌がありました。

柳下県議が「土壌汚染による残土処理費用の予算増額があるのでは」とただすと、県側は「4月の補正予算で追加された範囲内で調整する」と述べましたが、汚染箇所が新たに見つかった場合は、改めて議会に相談したいと答えました。

柳下県議は「労務費や建設費の高騰で、今後もっと予算がふくれあがる可能性が大きい」と指摘し、移転計画を撤回し費用が安くすむ現在地建て替えを決断すべきだと主張しました。(赤旗2014年5月31日付より)

埼玉県立小児医療センター移転問題 議員・候補ら党県議団と懇談

埼玉県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)の、さいたま新都心(同市中央区)への移転問題について、さいたま市の日本共産党岩槻区委員会と見沼区委員会の代表は28日、党県議団と懇談しました。

懇談のなかで、「孫が未熟児で、小児医療センターにお世話になった」「ここのお医者さんは、難病のお子さんは風邪を引いてもそれが命取りになるからと、夜中でも必ず来なさいと言ってくれた」などの市民の声が紹介され、現在地での存続は市民の切実な要求となっていると話し合いました。

懇談後、上田清司知事あてに、地元説明会の開催を求める申し入れ書を提出しました。

申し入れ書は、県の移転計画に対し、病院を利用する患者や地域住民から現在地での存続を求める声が大きく上がり、上田知事は2年前、現在地での一部機能の存続を表明したと指摘。しかし、その後、一度も具体的な内容が説明されていないとして、新病院建設を急ぐ前に、早急に地元説明会を開催するよう求めています。

懇談と申し入れには、柳下礼子県議団長、村岡正嗣県議、青柳しんじ県議候補(見沼区)、加川義光さいたま市議、大木学市議候補(岩槻区)らが参加しました。(赤旗2014年5月29日付より)

小児医療センター現地存続求める 患者家族会・蓮田市長・党埼玉県議団が懇談

埼玉県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)の、さいたま新都心(同市中央区)への移転計画について、日本共産党の柳下礼子、奥田智子両県議は14日、隣接する蓮田市で、センターの現地存続を求める患者家族の会、中野和信市長とそれぞれ意見交換しました。

懇談の様子=2014年4月14日、蓮田市

懇談の様子=2014年4月14日、蓮田市

患者家族との懇談では、蓮田市内98自治会のうち88自治会が現地存続の署名に協力してくれたことが紹介されました。患者の家族が実際に、さいたま新都心に足を運び、「重度の障害を持った子と一緒に通院することは困難」と改めて実感したことが語られました。

また、地元に対する説明がほとんど行われておらず、不安が広がっているとして、「県に地元説明会を開かせるべきだ」と話し合いました。

中野市長は、上田清司知事が移転計画を突如発表した際に「地元は動揺した」と述べ、センター機能の一部存続を一貫して求めていると語りました。

柳下氏は「病院の建て替えは本来、関係者の英知を集め、時間をかけて進めるもの。トップダウンが問題を大きくしています」と語りました。

懇談には、蓮田市議・候補、さいたま市議・候補、伊奈町議、青柳しんじ県議候補も参加しました。(赤旗2014年4月17日付より)

埼玉県議会臨時会 小児医療センター移転の補正予算 共産党など反対

村岡正嗣県議

村岡正嗣県議

柳下礼子県議

柳下礼子県議

16日、埼玉県議会臨時会が開かれ、県立小児医療センターの移転建設費を55億円増額する県知事提出の補正予算案を、3週間前絵に閉会した定例議会では反対した自民党を含め、民主党、公明党、刷新の会などの賛成多数で可決しました。日本共産党、社民党などは反対しました。補正内容は、杭工事や地下駐車場などを別途発注にした分42億円、残土搬出先の変更に伴う12億円などで、定例議会で承認されなかったものと同じです。

移転工事をめぐっては、移転先のさいたま新都心の土壌から基準を超えるヒ素が検出(14日公表、判明は3月26日)されたことが問題になっています。

本会議質疑で日本共産党の村岡正嗣県議は「ヒ素を含む残土処理費用が12億円には含まれていない」と指摘。上田清司知事は「1ヶ月程度かけて詳細に調査する」としながら、補正内容は変更しませんでした。

本会議質疑後に開かれた福祉保健医療委員会では柳下礼子県議が、知事が約束した「センターの現在地に残す機能」についていまだに明らかにしていないと批判し「早急に説明会を開くべきだ」と要求。県側は「残す機能」を、今年秋に明らかにすると述べ、その前に説明をしたいと答えました。

同委員会では、予算執行にあたって「誠実な対応」と「現病院の機能保持のあり方」を早急に示すことを県に求める決議が可決されました。(赤旗2014年4月17日付より)