金子兜太さんが講演
埼玉県川口市の「かわぐち九条の会」は11日、JR川口駅前フレンディアで第11回平和と文化の集いを開き、約300人が参加しました。「マリンバ・プロムナーズ」によるマリンバとピアノの演奏に続き、俳人の金子兜太さんが「戦争生き残りは反戦の魂」と題して講演しました。
「戦争を知らない国会議員が憲法をいじろうとしている。自分の戦争体験を語ることで抵抗したい」と語った金子さん。海軍主計中尉として配属されたトラック島で食糧確保に奔走しつつも、サツマイモ栽培の失敗やアメリカ軍の機銃掃射による妨害に陥り、200人の部下のうち70人を餓死や攻撃などで失ったと話しました。
文化や個人主義が抑圧され、俳人も弾圧された戦前と、現在のさいたま市の公民館で憲法9条を詠んだ俳句が掲載拒否される事件を対比。さいたま市の事件では作者の女性が抵抗の声をあげたことを「戦前とは違う。女性が強くなっている」と話しました。
参加した川口市の女性(72)は「戦争の生の体験を聞けてよかった。国会では、安倍首相が暴走政治を早めていますが、ひどい政治が行われていることを多くの人が知らずにいます。知らせる運動をもっと続けたい」と話しました。
(2016年9月13日付「しんぶん赤旗」より)