埼玉県議会福祉保健医療常任委員会は17日、さいたま新都心(さいたま市中央区)への移転を進めている県立小児医療センター(現在地、同市岩槻区)の建設事業費を55億円増額する補正予算案について、増額分を差し引いた自民党の修正案を賛成多数で可決しました。本会議でも修正案が可決される見通しで、建設工事がストップする可能性が大きくなりました。
増額分は、建設残土の搬出先の変更による支出増12億円と、資材高騰の影響で一部工事を別途発注にしたことに伴う支出増42億円などです。
同事業は入札不調が続き、12月下旬、清水建設との間で約300億円の随意契約を結びました。
自民党は、増額を認めない理由として、巨額の事業を随意契約にしたことなどをあげました。
討論で日本共産党の柳下礼子県議は、県は増額が必要になることを昨年11月には試算していたのに、議会への報告も12月議会への補正予算の提案もなかったと批判し「着工の遅れを恐れたためで、手続きに重大な問題がある。患者置き去り、地元置き去りの計画である上に県議会すら置き去りにする拙速な計画だ」と指摘しました。
また、センターの移転計画は多くの患者とその家族、地元住民の声に背いていると、改めて計画の撤回を要求。自民党の修正案については、原案にある職員給与減額を残しているとして反対しました。
修正案は自民党以外の会派が反対して可否同数となり、委員長(自民党)が賛成して可決されました。(赤旗2014年3月19日付より)