埼玉県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)の、さいたま新都心(同市中央区)への移転問題で県は26日、患者家族を対象にした説明会を同センターで開きました。
県は、2016年に新センターを開院した後、現在地に残すとした「外来診療機能」について素案を提示しました。それによると、現在地では、移転で通院の負担が大きくなる患者171人(2012年調査時点)を対象に、吸引や気管内挿管した管の交換、一般小児外来、リハビリなど「日常的な医療管理」を実施。専門医療は行わず、開院日数も現在の週5日より少なくする意向です。
患者家族からは「夜間に具合が悪くなった場合に新都心まで行けないので現在地で対応してほしい」「容体が急変したとき開院していない日があっては困る」「最低限の救急外来、入院体制が必要」など、専門医療、救急体制を求める意見が相次ぎました。
しかし、県は「人や設備が二重に必要になる。特殊な医療は新病院に来てほしい」として、現在地の機能を一般内科診療に限定する考えを重ねて示し、参加者から失望の声が上がりました。
一方で、中村譲センター病院長は「(現在地の)この病院に(診療していない)電気が消えている時間があってはならない。救急も一度は診て差し上げたい。そういう意味でここは拠点。みなさんの気持ちを今後も県に伝えていく」と述べました。(赤旗2014年7月31日付より)