“専門病院残して”患者家族訴え
埼玉県立小児医療センター(さいたま市岩槻区)を、さいたま新都心(同市中央区)に移転(2016年秋ごろ予定)させる計画について県は3日、同センターで、患者の家族を対象に、現在地に残す機能の説明会を開きました。7月の説明会で素案を示し、今回は確定した計画を提示しました。
それによると、現在地には、NICU(新生児集中治療室)から在宅治療へ移行するためのトレーニングや、介護疲れを軽減するための短期入所、デイケアなどを行う「医療型障害児入所施設」整備する方針を示しました。運営は社会福祉法人などにゆだね、県は財政支援などをするとしています。
同施設ができるまでの間は、県が移転によって通院の負担が大きくなると判断された患者を対象に、週2日の予約制外来診療を実施。また、週5日、患者を預かるデイケアや在宅支援相談などを行います。
担当者は、県が責任を持つ「現在地に残す機能」を民間が運営する施設に「できるだけ早く移行させたい」と述べ、県の施設をなくしていく考えを表明しました。
患者の家族は、センターが県東部の小児医療の拠点になっている実態をあげ、「イベントなどで混雑する新都心では救急が間に合わないかも知れない」「現在地に新病院の分院などの形で残してほしい」などと涙ながらに訴え、救急や入院機能を持った専門病院を残すよう求めました。(赤旗2014年11月6日付より)