さいたま市議会は16日、浦和区の「市民活動サポートセンター」の運営を指定管理者のNPO法人から市の直営にする条例案を賛成多数で可決しました。提案した自民党議員らは「一部の団体が政治的な活動に利用している」ことを理由に挙げています。条例案には自民党、公明党などが賛成し、日本共産党と民主党議員などで構成する「民主改革」は反対しました。
同センターは、NPOやボランティア団体など、非営利で公益的な活動をする市民団体を支援する施設として2007年に開設。会議や打ち合わせに使えるスペースがあり、団体登録するとロッカーやメールボックスなどが有料で利用できます。
5日に開かれた市議会決算・行政評価特別委員会では、自民党議員が原発や憲法9条などのテーマを扱う団体が同センターに登録し、利用していることを「政治活動に利用している」などと批判。9日の同委員会で、同センターの適切な管理運営の確保を求める決議を自民、公明の賛成多数で可決していました。
共産党の鳥海敏行市議は本会議で条例案について討論し、市の裁量権のもとで、市民団体の登録申請や活動をチェックするものだと指摘。提案議員らが「何が政治活動にあたるのか」を明確にしていないとして、「市の裁量権の行使によって、市民の自由な活動や発言が制限される」と批判しました。
(しんぶん赤旗2015年10月17日付より)