4日、さいたま市で行われた返済不要の給付制奨学金の創設を求める青年デモで、主催した学生・若者の団体「Rights to Study@埼玉~本物の奨学金のための緊急行動」の参加者は、「教育は権利。お金の心配なく学べる環境を」と訴えました。
デモ出発前に行ったスピーチで大学生や奨学金返済中の社会人、大学生の母親らがマイクを握りました。
利息を含めて650万円の奨学金を30年かけて返済しなければならないと語った、介護福祉士の森本舜さん(26)は「(大学進学のために)500万~600万円もの代償を払わなければならないのはおかしい」と力説。社会問題になっている奨学金問題の背景にある、先進諸国の中でも異常に高い学費の解決を求めました。
2人の大学生の母親の中野昌子さん(56)は、私立大学で百数十万円、国立大学でも年54万円という学費は、家計に重い負担だと指摘。「今の奨学金は、実際はローン。政府が検討している給付制奨学金は僅かな学生にしか渡りません。これでは若者がしっかり勉強し、職業につくことはできません。若者と手をたずさえて現状を変えたい」と訴えました。
参加者は「本物の奨学金を!」「教育にお金を!」などと書いたプラカードを掲げてアピールしました。
政府が来年度に導入予定の「所得連動型無利子奨学金」は、返済月額が一律の現在の制度と比べて、一定の改善もありますが、「収入ゼロでも月2千円返済」「有利子奨学金は対象外」「高齢まで返済が続く恐れがある」など多くの課題が残されています。
(「しんぶん赤旗」12月6日付より)