さいたま市大宮区の三橋公民館の俳句会員が詠んだ「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の句が、公民館だよりへの掲載を拒否された問題で、作者が俳句の掲載を求めて市を訴えている裁判の第10回口頭弁論が10日、さいたま地裁で聞かれました。
裁判では、不掲載を決めた当時の三橋公民館館長と公民館だより編集職員、大宮区の拠点公民館の桜木公民館館長の3人の証人尋問が行われました。3人はいずれも、俳句の「中立性」を問題にしたと強調しましたが、根拠や基準は示せませんでした。
訴状などによると、2014年6月、三橋公民館は「梅雨に~」の句の不掲載を作者に告げ、7月、根拠として、公民館の特定収党の利害に関する事業を禁じた社会教育法23条などを示したものの、12月に誤りだったとして撤回。しかし、「公民館は公平・中立であるべき」との判断を再度示して、現在も掲載を拒んでいます。
証人尋問で、桜木公民館館長は、俳句の「九条守れ」の部分が主に問題だと思ったとし、「読む人によっては政治的と受け取られる」と供述。不掲載の根拠に当初、社会教育法23条を挙げたことについて「公民館の中立性を理解してほしかった」と述べました。どうやって中立だと判断するのかと問われると「世論調査などを見て私どもで判断した」と答えました。
(「しんぶん赤旗」3月12日付より)