デフレ不況からどう抜け出すか さいたま街頭演説で志位委員長が提案

日本共産党の志位和夫委員長は11月24日、さいたま市大宮駅西口での街頭演説のなかで、深刻化しているデフレ不況からどう抜け出すかについて、「働く人の所得を増やし、内需を活発にすることがカギ」とのべ、(1)消費税大増税を中止する(2)大企業の260兆円の内部留保を雇用と中小企業に還流する政策を実行する――という二つの提案をおこないました。

議席倍増へ衆院候補と志位委員長が訴えた街頭演説を聞く人たち=11月24日、さいたま市

デフレ不況の根本原因――経済の基本である内需を壊す逆立ち政策

志位氏は、デフレ不況が、働く人の所得が減り、消費が落ち込み、内需が冷え込むという悪循環に陥っていると指摘。「どんな国でも経済を発展させようとすれば、内需を活発にすることが基本であり、その圧倒的部分は働く人の家計消費なのに、それを応援するどころか、逆に破壊する逆立ちの政策をとってきたことに、デフレ不況の根本原因があります」と強調しました。

自民党の安倍晋三総裁などが、「無制限の金融緩和」などと言っていることについても、「内需が冷え込んでいるときに、いくら日銀が銀行にお金を供給しても、企業の投資にはまわらず、余ったお金が投機に使われるなど、何の効果もなく、副作用しかありません」「実体経済が悪いときに、金融経済をテコ入れすれば景気が良くなるなどというのは、まったく逆立ちした議論です」と批判しました。

訴える志位和夫委員長

働く人の所得を増やす政策に転換を――二つの提案をおこないます

そのうえで、デフレ不況から抜け出すには、「働く人の所得を増やし、内需を活発にする政策に転換することがカギです」と強調。そのために二つの提案をしたいとのべました。

第一は、消費税大増税を中止することです。「こんな大不況のもとで、国民から13・5兆円もの所得を奪う増税を実施したら、デフレの悪循環をひどくし、日本経済の底がぬけてしまいます」とのべ、選挙後の国会に消費税増税中止法案を提出し、成立のために全力をあげることを表明しました。

第二は、大企業がため込んでいる260兆円の内部留保を、雇用や中小企業に還元する政策を実行することです。大企業による身勝手なリストラ――電機産業の大企業がおこなっている13万人もの首切り計画をやめさせる、非正規社員を正社員にする、最低賃金の抜本的引き上げをおこなう、解雇規制法を制定する、中小企業と大企業の公正・公平な取引ルールの確立などをすすめることなどを提案しました。

志位氏が「この問題でも、『財界中心』の政治を断ち切る改革をすすめる日本共産党をのばしてこそ、解決の道が開かれます」と訴えると、大きな拍手がおこりました。

3人の比例候補と声援に応える志位委員長