県議会 日本史教科書採択めぐり 異例の閉会中審査へ “政治的介入”に批判の声

埼玉県議会文教委員会が委員長(自民党)の強い要請で、9月2日に閉会中審査を行うことになりました。調査事項は県立高校の日本史教科書の採択についてとされており、自民党県議らが採択しないよう求めていた日本史教科書を県教委が採択したことを取り上げるものとみられます。

議会事務局によると、県立高校教科書を採択した22日の県教育委員会の定例会後に、田村琢実文教委員長が議会事務局に要請し、開催が決まりました。

教科書採択をめぐっては、自民党県議らでつくる「県議会教科書を考える議員連盟」が12日、県教委に対して「日の丸・君が代」問題で「一部の自治体で強制の動きがある」と記述した実教出版の日本史教科書を採択しないよう求めていました。しかし、県教委は同社教科書を選定した学校も含め、すべての学校選定通りに採択しました。県議会常任委員会で閉会中審査が行われるのは2002年以来のことで、異例の事態です。

日本共産党の柳下礼子県議団長は「今回の県教委の教科書採択の手続きには、問題点はありません。ただちに調査する必要性もなく、目的があいまいなまま文教委員会を開催する異例の事態には到底納得できません」と話しています。

埼玉県高等学校教職員組合の小野知二書記長は「各学校の生徒の実情に合わせて選定した教科書を使用してもらうというのが教育委員会の判断です。教育委員会は政治的中立性の確保を求められており、議会からの介入があってはなりません」と指摘しています。

県議会文教委員会には共産党県議はいません。(赤旗2013年8月27日付より)