社会科教育に政治介入 高校修学旅行の感想文提出させる

埼玉県議会文教委員会

埼玉県議会文教委員会(田村琢実委員長、11人)は17日、台湾で修学旅行を行った県立朝霞高校の生徒8人分の感想文を県教育委員会に提出させ、前日につづき審議を強行しました。

自民党などの委員らは、同校の修学旅行と事前学習、社会科教員の研究活動について、生徒の感想文や講演の内容をもとに偏っているなどと攻撃しました。

こうした異常な質問に対し、他会派の委員からは、感想文の提出を求めることによって、生徒が自由な感想を書くことを妨げるとの懸念の声が出されました。

委員会は、自民党から提出された「県立高校の社会科教科書の指導徹底を求める決議」を自民党、保守系会派「刷新の会」など7人の賛成で可決しました。民主党、公明党、無所属の3人は反対しました。決議は、教育委員会・教育局に対して同校に指導を行うことを求め、学校教育への政治的介入を進めるものです。

委員会を傍聴した新日本婦人の会の高田美恵子さんは「生徒の感想文まで提出させたのは、子どもをもつ親として許せない」と憤りました。

同委員会には日本共産党の委員はいません。柳下礼子党県議団長は「生徒の感想文を提出させ、委員がその内容にまで踏み込んで審議した。生徒の内心の自由を侵すものであり、断じて容認できない」と述べ、教育現場への執拗な政治的圧力に抗議し、議会内外での共同を広げて決議の撤回を求めていくと表明しています。(赤旗2013年12月18日付より)