【さいたま市】戦争は飢え 犠牲を強いられるのは国民/なかにし礼さん語る

7月31日、さいたま市内で開かれた「憲法と人権を考える市民のつどい」(主催・埼玉弁護士会)では、学習院大学教授の青井未帆さんと作家・作詩家の、なかにし礼さんが講演と対談をしました。約1300人収容の会場は満席となり、ロビーまで人があふれました。

なかにしさんは自作の詩「平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう」を朗読し、参加者の胸を打ちました。

幼少期を旧満州(現中国東北部)で過ごし、旧ソ連軍の爆撃から逃げた体験を振り返った、なかにしさん。詩の中で「俺は弱虫なんだ」と訴えていることについて、「戦争とは飢えであることを(戦後生まれの)平和の申し子たちは知らず、それは奇跡的なこと。戦争で犠牲を強いられるのは国民。弱虫で思いやりのある人間集団をつくっていけば、日本は変わると思う」と話しました。

青井さんは、安倍政権が強行した集団的自衛権行使を容認する閣議決定について、何重にも違憲だと批判。「戦争をするのは国家だけど、死ぬのは国家ではなく人。おかしいと思ったことにはおかしいと声を上げないといけない」と語りました。

対談で、国民にどのような抵抗ができるか問われた青井さんは「安倍首相は『最高責任者は私だ』と言うが、私たち主権者は何でもできることを許しているわけではないということを伝えていこう」と呼びかけました。

川越市から参加した男性(30)は「集団的自衛権について、国民にあまり知らされないまま進められて、きなくさい感じがします。これから生まれる子どもたちを戦争に行かせたくないから、反対」と話しました。(赤旗2014年8月2日付より)