【さいたま市】政府は被害者に謝罪を 「慰安婦」問題考える

北東アジアの平和と友好を求めて、「日本軍『慰安婦』問題を考えるお芝居とおはなし」が11日、さいたま市浦和区の埼玉会館小ホールで開かれました。主催は「『お芝居とおはなし』のつどいを開く会」。

舞台俳優の有馬理恵さんが、韓国やフィリピンの「慰安婦」被害女性の体験を題材にした「砕かれた花たちへのレクイエム」や「ロラマシン・モノローグ」などを一人芝居で演じました。「慰安婦」被害女性の悲痛な思いの熱演に、客席からはため息がもれ、涙を流す人もいました。

林博史関東学院大学教授が講演。「慰安婦」問題は、今の国際社会における戦時性暴力や人身売買に対し、どう取り組むのか、一人ひとりが大事にされる社会をつくれるかも問われるとして、「過ちを犯した歴史的事実を見つめ、ただす努力をしよう」と話しました。

林氏は、吉田証言が事実ではなかったことを理由に「慰安婦」問題そのものを否定しようという動きに対し、「連れて行かれた先でどのように扱われたかが問題。軍が『慰安婦』の人員を確保し、慰安所の管理を行っており、国家ぐるみの犯罪だった」と、1999年と2004年に日本の裁判所が「慰安婦」の被害を事実認定したことにもふれて指摘しました。

「慰安婦」問題解決の展望として林氏は、「加害者が加害の事実を認めず償わなければ、被害者は怒り、その被害の大きさを主張し、またさらに加害者が攻撃する悪循環になる。加害者である日本政府が、女性たちを性奴隷にした事実を認め、公式な謝罪と賠償を行ってこそ、過去の過ちを克服して未来に向かうことができる」と呼びかけると、会場から拍手が起こりました。

さいたま市緑区の女性(36)は、「『慰安婦』問題できちんと話を聞くのは初めて。加害の事実を認めて償ってこそ、和解して未来が開けるとの言葉は本当にその通りだと思った」と話しました。(赤旗2014年10月12日付より)