4月3日告示・12日投票の埼玉県議選(定数93、1減)で、日本共産党は、上田清司知事と自民、公明、民主などの「オール与党」による県民に冷たい県政から、県民の声が届く県政への転換を訴えています。現有2議席から、議案提出権を持ち、全常任委員会に議員を送ることができる8議席以上の獲得をめざします。
埼玉県政と共産党
上田県政は「オール与党」とともに、暮らしを守る地方自治体の役割を後退させてきました。
重度心身障害者に対する医療費助成や在宅治療の手当支給制度から65歳以上の新規対象者を除外し、65歳以上の県立施設利用料減免を廃止するなど年齢差別を導入。
定時制高校の教科書代や夜食費補助の廃止、幼稚園父母負担軽減金の原則廃止など社会的支援が必要な人への補助をカットしてきました。
大型事業は温存
暮らし・福祉の予算を削減する一方で、無駄な大型公共事業は温存しています。たとえば、治水・利水とも役に立たない群馬県の八ツ場(やんば)ダム建設で、埼玉県の負担は820億円にのぼり、さらに132億円の負担が予定されています。
県議会では、自民党や「刷新の会」による教育現場への乱暴な介入が大きな問題になっています。
2013年9月、自民党県議らが教育現場への「国旗・国歌」強制について記述した高校日本史教科書の選定取り消しを要求。委員会に校長を呼び出すことまで行いました。同年12月議会では、高校の台湾修学旅行での事前学習や現地で戦争体験を聞く学習を問題にし、生徒の感想文を提出させるなど思想調査まがいのことをしています。
一連の教育介入に共産党県議団は、議長や文教委員長、各会派に「教育行政の自主性を脅かす不当な政治圧力は許されない」と申し入れ、県民に広く問題点を訴えました。
県民と力合わせ
共産党県議団は、弱者切り捨て、教育介入という上田県政とオール与党の「二つの異常」と対決しながら、県民の運動と力を合わせて要求を前進させてきました。
人口当たりの医師数が全国最低の埼玉県は、医療体制の整備が重要な問題です。当初、医師不足を認めなかった上田知事に、繰り返し認識を改めるよう迫ったのが共産党です。いまでは県も医学生奨学金創設など医師確保対策に動き出しています。
13年9月の竜巻被害では、被災状況や要求をつぶさに調査し、国の制度で救済されない被災者を県で支援するよう要求。その結果、県と市町村による独自の支援制度が実現しました。
上田知事がトップダウンで進めている県立小児医療センター移転計画に、患者の家族や周辺住民は強い反対の声をあげています。共産党県議団は、家族らの願いに寄り添い、計画の見直しを迫り、「センターの一部機能の存続」を知事に表明させました。
患者家族の島村きみ子さん(65)=蓮田市=は「共産党の県議の方々にはいつも大きな力をいただいています。引き続き応援していただきたいと思っています」と語ります。
柳下礼子県議団長は「県議会で自民党と対決できる政党は日本共産党だけです。この党の議席が増えれば一人ひとりの声がもっと県政に届きやすくなります。総選挙に引き続き、安倍暴走政治にストップをかけるためにも頑張る決意です」と話しています。(赤旗2015年1月17日付より)