大型開発は見直さず さいたま市予算案

さいたま市は1月30日、2015年度当初予算案を発表しました。一般会計は4560億円(前年度比89億円減、1.9%減)で、特別会計、企業会計を含めた予算全体は、約9008億円(0.2%増)です。予算案の特徴について、日本共産党の山崎章市議団長に聞きました。

 

山崎・党市議団長に聞く

山崎あきら

山崎市議団長

新年度予算案は、市民要求に基づいたものではありません。清水勇人市長の政策「さいたま市成長戦略」に基づいてイベントなどを開催し、「いかにさいたま市を売り込み、人や企業を呼び込むか」に重点を置いた予算案です。

 

「福祉に」と市民

たとえば、新規・拡大事業として、小学校1年から英語教育を新たに実施(約1億8000万円)し、「さいたまシティマラソン事業」では、これまでのハーフマラソンからフルマラソンにして、国際女子マラソンも同時開催するとして、前年度の2倍の約1億5000万円を計上しています。

国際自転車競技大会「さいたまクリテリウム」開催にむけた予算は約3億3000万円で、市民からは「1日限りのイベントのために、こんなに市民の税金を使うのはムダ。そんなことよりも福祉に使ってほしい」などの声も聞かれます。

また、「2都心4副都心」構想などの大規模開発が見直されることなく、大型都市開発を中心に土木費で500億円を超える予算が計上されています。

市民は収入が減るなかでの物価高や消費税増税で、厳しい暮らしを強いられています。ところが、市は、介護保険料の引き下げなど新たな負担増を打ち出しています。

 

組み替え提案へ

認可保育所の店員を1120人増やすなど一部前進もありますが、たいへん問題の多い予算案です。

日本共産党市議団は、2月市議会で予算の組み替え提案をし、下水道料金の昨年の値上げ分(21.6%)引き下げなどを求めていきます。

地方自治の役割は、住民福祉の向上に努めることです。清水市政は大型開発を進める一方で、高齢者・障害者などの福祉をつぎつぎと切り捨ててきました。

共産党市議団は、福祉切り捨てに反対し、予算組み替え提案などの対案も示して、下水道料金値上げ反対の署名運動など市民と共同してきました。市民の暮らしを守るために頑張りぬき、4月の市議選では、現有7から11へと躍進を勝ち取りたいと思います。(赤旗2015年2月4日付より)