埼玉県教委 育鵬社教科書を採択/伊奈学園中 県民の声聞かず

埼玉県教育委員会(高木康夫委員長)は27日の定例会で、県立伊奈学園中学で来年度から使用する歴史と公民の教科書に、侵略美化・改憲誘導の育鵬社のものを採択しました。同中学は4年前にも育鵬社教科書を採択しています。

育鵬社教科書は、前回6日の定例会で、委員6人中4人が支持して内定。27日は結果を確認しただけでした。また、採択のやり直しを求める意見書が4件提出されましたが、内容の報告や審議は行われませんでした。

採択結果について、市民団体「教育と自治・埼玉ネットワーク」や「子供の人権埼玉ネット」の代表を務める藤田昌士元立教大学教授は、教員が使いたい教科書の希望や父母、県民の意見を聞かず、ここの教科書の検討もほとんどされていないと批判。「公正、自主的に採択したとはいえず、県教委の審議が空洞化している」と語りました。

 

柳下県議団長
県教委を批判

柳下礼子県議団長

柳下礼子県議団長

この問題では、日本共産党埼玉県議団の柳下礼子団長が同日、談話を発表しました。

談話は、県教委の審議では、育鵬社教科書の不採択を求める県民の意見について何ら検討もせず、現場教員の意見も無視しているとして「極めて遺憾だ」と批判。そのうえで「学習権を保証するために、教員の意見が十分尊重される教科書採択の実現をめざし、広範な県民・教育関係者と力を合わせる」と表明しています。

(しんぶん赤旗2015年8月28日付より)