埼玉弁護士会(池本誠司会長)は3月28日、県議会文教委員会が、県立高校の修学旅行での平和学習を問題にして、審議で生徒の感想文を提出させるなどしたことについて、「介入行為に抗議し、教育現場の自主性の尊重を求める」とした会長声明を発表しました。
文教委員会(田村琢実委員長・当時)は昨年12月議会で、県立朝霞高校が行った台湾への修学旅行の事前学習や、現地で生徒に聞かせた戦争体験者の話の内容を問題にし、生徒8人の感想文を提出させました。また、「社会科教育の指導徹底を求める決議」を自民党、刷新の会などの賛成多数で可決しました。
声明は、決議について、「教育の自由や教師の裁量に属する事項について、地方議会が個別の教育内容を非難し、指導徹底や訂正授業を求めるなどということは、教育の自主性をゆがめる危険のある政治的な介入行為」だとし、「教育に対する『不当な支配』(教育基本法16条1項)にあたる行為であって許されない」としています。感想文を提出させたことについて、生徒の学習権を侵害し、思想・良心の自由(憲法19条)や意見表明権(子どもの権利条約12条)を害していると批判しています。
会は同日、声明を県議会と県教育委員会に届けました。(赤旗2014年4月1日付より)