2日投開票された埼玉県議補選南2区(川口市、定数2、立候補3人)で、日本共産党の奥田智子候補が、みんなの党候補を抑え、自民党候補に次ぐ2位で当選しました。勝因などについて、党南部地区委員会の須田幾世志委員長の投稿を紹介します。
党南部地区委員会 須田幾世志委員長の投稿
今回の県議補選は、前市長の死去に伴う2月の市長選に、川口市選出の自民党県議が2人立候補したことで行われたものです。短期決戦であると同時に、二つの選挙を連続してたたかうという初めての経験でしたが、日本共産党は市長選と県議補選を一体の選挙としてたたかいました。
今回の選挙の最大の教訓は、この選挙戦を、自民党と共産党の対決が政治の全面に表れる「自共対決」時代の政党選択の選挙と位置づけて、「安倍政権の暴走ストップ」「くらしの声を県政へ」という訴えを貫いたことです。
この訴えには「安倍内閣は本当に危ない。対抗できるのは共産党だけだ。がんばってくれ」「三つの党から選ぶなら、共産党しかない。あと二つはどちらも一緒だ」などの反応が寄せられました。
党県委員会もこの選挙を「全県の選挙」と位置づけて全県支援態勢をとり、宣伝、対話・支持拡大に全力をあげました。その取り組みのなかで、駅頭宣伝での候補者への握手や宣伝カーへの反応など、昨年の参院選のときよりも広い人たちが日本共産党への関心と期待を持っていると、ひしひしと感じられる選挙戦でした。
自民党と共産党の間の安倍政権批判の受け皿政党が消滅したなかで、投票先に迷い、棄権しようかと思っている人にも宣伝や対話の努力を強め、「自民党と対決できるのは、やっぱり共産党しかない」という変化をつくり出した例もたくさん生まれました。
低投票率のもとで2011年の県議選での得票数をほぼ維持でたのは、基礎票が出たからではなく、少なくない人たちが新しく、日本共産党に投票してくれたからです。
今回の得票率は28.15%で、昨年の参院選の得票率の2.3倍でした。
「自共対決」の情勢に確信をもって、4万件の「声の全戸訪問」、法定2号ビラの川口駅周辺マンションへの3万2000枚活用など広い有権者に働きかけたことによる勝利です。
一方、自民党は、共産党と1万票しか差がないところまで落ち、昨年参院比例票の4割にとどまりました。
みんなの党は、「ここで負けたら、やっぱりみんなの党はダメだとなる。絶対に負けられない」と党の存亡をかけ、党首を2回、幹事長をそれ以上送り込みました。しかし、昨年参院選のときは、共産党より2000票以上多い得票でしたが、今回は日本共産党が上回りました。
私自身も、定数2で勝利の結果を目の前にして「情勢が激変している。『自共対決』時代の始まりは本当だった」と驚きと確信でうれしくなったというのが率直な気持ちです。
この画期的な勝利は、党勢拡大の「好循環」の方向に進む絶好のチャンスをつくり出しました。全党員、支持者に勝利の喜びを大いに伝えながら、「第26回党大会3文献」の全党員読了を徹底し、党勢拡大でも目に見える前進を全支部が実感できるよう努力する決意です。(赤旗2014年3月13日付より)