2月大雪被害 支援策行き届かず 共産党埼玉県議団が現地調査

2月の大雪で被害が出た農業用ハウスの撤去・再建費用を助成する制度の申請受け付けが始まるなか、日本共産党埼玉県議団は2日、被害農家や各自治体の農業再建に向けた状況を現地調査しました。

被害農家(右2人)から話を聞く(左から)柳下、奥田、村岡各氏=2014年6月2日、熊谷市

被害農家(右2人)から話を聞く(左から)柳下、奥田、村岡各氏=2014年6月2日、熊谷市

柳下礼子、村岡正嗣、奥田智子各県議が熊谷、深谷、本庄3市の被害農家や県大里農林振興センター、深谷市役所、県産直協同を訪問。埼玉県農民運動連合会の立石昌義会長、党熊谷、本庄市議らが同行しました。

熊谷市の野菜農家・稲村輝生さん(38)は「カブとニンジンがほぼためになった。周りには農業をやめることを考えている人も多い」と話します。

本庄市のトマト農家・加藤勘治郎さん(63)はハウスに大きな被害が出ました。同市では助成金の申請手続きが遅れていると話します。「ハウスの撤去費用だけでも何とかしてほしい」と訴えます。

深谷市役所では、小島進市長らが応対。助成金の申請受付について「申請書類が難しいとの声が多く、市で分かりやすいものを作って受け付けている」と述べました。

調査を終えた村岡氏は「支援制度ができても、それが行き届いていないというのが現場の声です。被害農家が農業をやっていく意欲を失わないためにも、県がしっかり支援していくようにがんばりたい」と話しました。(赤旗2014年6月3日付より)

大雪被害 対策強化を 埼玉農民連が県に申し入れ

埼玉県農民運動連合会は20日、大雪被害対策の強化について県に申し入れを行いました。

埼玉農民連の要請書を受け取る柳下県議(右から4人目)=2014年3月20日、埼玉県庁内

埼玉農民連の要請書を受け取る柳下県議(右から4人目)=2014年3月20日、埼玉県庁内

埼玉農民連によると、群馬県が農業被害額を247億6200万円から422億4000万円と公表し直すなど、埼玉県を除く関東1都5県と山梨県は農林水産省の指導にもとづき被害額を大幅に増額変更しています。

申し入れでは、埼玉県の大雪による農業用施設などの被害額が農水省の指導による建て直しに必要な「再取得価格」となっておらず、被害農家や農業団体、関係自治体に大きな不安を与えているとして、早急に新しい方式で被害額を算定し公表することを求めました。

また、強化ハウスなどの再建費用も従来型ハウスと同様の助成基準とすること、被害農家の二重ローン解消のための対策などを国に要請するよう求めました。

県の担当者は、要請した項目について、後日回答すると述べました。

県議会の各会派にも要請し、日本共産党は柳下礼子県議らが対応。柳下氏は「被害農家の不安をなくすためにも、県は再取得価格で計算した被害額をただちに公表し、営農が再建できるまでしっかり支援するという姿勢を示すべきです」と述べました。(赤旗2014年3月25日付より)

雪害支援 「実態にあった運用を」農家から要望

生産農家は、今冬の異常大雪によるビニールハウスや畜舎、果樹棚の倒壊被害から、「早く農産物を安定供給したい」と再生に踏み出しています。行政の支援策も従来枠はこえていますが、実際に作業を始めると、実態にあったきめ細かい対応が必要だとの声が出ます。

埼玉県深谷市は、関東の野菜供給地の一つです。消費地に近く、観光農園も盛んです。

ブドウ農園を経営している上原稔さん(58)は、「ハウス栽培は品質が良く、視察の人もあった。それが全部やられた。早く再生したい」といいます。業者にパイプの撤去を依頼しました。業者の作業見積もりは、国の定額助成額の2倍以上の10アール当たり60万円となりました。鋼材が32㎜と、通常のパイプより太いからです。「国の助成基準はパイプハウスで10アール当たり29万円、鉄骨ハウスは88万円だが、パイプハウスでも鉄骨ハウス並みのものがある。基準がおかしい」と上原さん。

再建計画では、大雪にも耐える単棟ハウス構造を希望します。しかし、県の担当者からは“原形復帰でないと補助の対象にならない”といわれたといいます。「雪にも強く、安くできるのに」と上原さんは訴えます。

野菜と苗の栽培をしている河野茂男さん(64)は、ハウスが半分ほど残り、生協などの供給を確保したいといいます。「ここは、関東の野菜産地だ。夏までにハウスの再建をしないと秋冬の安定供給に支障がでる」と心配します。「トンネルハウス」の鋼材も2000本つぶれました。同ハウスは、国の助成基準にありません。

被害の調査と農家の相談に応じている日本共産党の清水修市議は、「行政の基準は必ずしも実態にあわない。資材と業者も不足しているが、農家グループの作業に助成がある。現場から声を上げて改善していきましょう」と激励しました。(赤旗2014年3月18日付より)

雪被害支援 年度越えも 奥田氏初質問に埼玉県が意向

奥田智子県議

奥田智子県議

11日に開かれた埼玉県議会環境農林委員会は、大雪被害を受けた農家への支援策を盛り込んだ補正予算案を審議しました。2日の県議補選で当選した日本共産党の奥田智子県議が初めて質問し、支援策充実を求めました。

奥田氏は、県が倒壊した農業用ハウスなどの撤去や再建を2014年度内に終わらせるとしていることについて、「14年度内に終わらなかった場合に足切りされてしまったら困る。15年度までかかった場合は対応してもらえるのか」とただしました。また、膨大な提出書類の簡素化などを求めました。

県側は、年度を超えた場合の対応について「14年度内に終わらせるように努力する」と述べた上で、14年度内に手があがった農家については繰り越すなどの対応をする意向を示しました。提出書類の簡素化については、国に要望しているとし、県としても取り組みたいと述べました。

奥田氏は県が農業被害額を229億円としていることについて「他県では被害総額の見直しを行っている」と主張し、実態に即した見直しを求めました。(赤旗2014年3月12日付より)