日本共産党埼玉県委員会の新型コロナウイルス感染症対策本部と党県議団は1月29日、県庁に大野元裕知事を訪ね、「コロナ禍から県民の命と暮らしを守る施策の強化を求める重点要望」を行いました。
要望では、緊急事態宣言後も感染拡大が収束するどころか感染の拡大で病床使用率が約7割、自宅療養者が3600人以上にのぼるなど「憂慮すべき状況」にあると指摘。県が高齢者入所施設の職員を対象にPCR検査の実施に踏み切ったことを評価しつつ、緊急事態宣言後の感染の急拡大や医療機関・介護施設などでのクラスタ―の発生などの状況を踏まえた対策の強化を求めています。
具体的な要望項目は以下のとおりです。
1.PCR等検査の抜本的拡充について
―県が行っている高齢者入所施設職員に対するPCR検査の対象を12市から全県に広げるとともに、医療機関や福祉施設等での集団感染を防ぐために、民間の検査機関を利用して医療機関や福祉施設の職員、入院・入所者も対象にした定期的な検査を実施すること。
―全国最大規模のクラスターが発生している戸田中央総合病院における院内感染の原因を究明するとともに県の対処について検証し、医療機関の院内感染防止対策に生かすこと。
―県立鳩山高等学校で、陽性者複数が判明した際に全校生徒360人余りを対象にPCR検査を実施したところ、20人の陽性者が確認されました。学校クラスターを防ぐために、陽性者1人が判明した段階で、全校生徒職員のPCR検査を実施すること。
―さいたま市大宮区や川口市などの感染集積地(エピセンター)を特定し、その地域の住民や働く人を対象に網羅的な検査を実施すること。
2.自宅療養者の早期解消と保健所体制の強化について
―自宅療養者の増大は、保健所ひっ迫の大きな要因ともなっており、「基礎疾患がなく、50歳未満は自宅療養」という基準を見直し、軽症者や無症状者全員が安心して宿泊療養できるよう宿泊施設を大規模に借り上げること。また、消毒の効率化やスタッフの増員で宿泊療養施設における感染者の受け入れを促進すること。
―現行の積極的疫学調査を維持するとともに、地域医師会の協力や他部局や市町村にさらなる職員や保健師の派遣を求め、保健所職員の業務の負担軽減をはかること。また、来年度の保健師採用枠を大幅に増やし、保健師の確保に努めること。
3.医療機関、介護・福祉事業所に対する支援について
―新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金が速やかに現場に届くように改善をはかるよう国に求めること。
―すべての医療機関や介護施設、障害者施設などを対象に減収補填をはじめ十分な財政支援を行うよう国に強く求めるとともに、県としても独自の支援策を講じること。
―公立・公的病院などに対する財政支援を強化し重症者・中等症患者用の病床整備を急ぐこと。特に県立循環器呼吸器病センターが中心的役割を果たすこと。
4.雇用と営業、生活を守るための支援策の強化について
―営業時間短縮に協力した飲食店などに支給する感染防止対策協力金(第4期)について、協力開始日が1月12日に間に合わなかった場合でも日割りで支給する旨の内容を周知徹底すること。また、協力金の拡充を国に求めること。
―持続化給付金、家賃支援給付金を1回限りで打ち切ることなく、第二弾を支給するよう国に働きかけること。
―公共住宅や宿泊施設も活用して、失業や収入減で住居を失った人々の住まいを確保すること。また、そのことを周知・徹底すること。
―「生活保護の申請は国民の権利です」という厚生労働省の呼びかけにふさわしく、親族への扶養照会などで誤った対応をしないよう指導を徹底すること。