集団的自衛権行使に「反対」 平和願いタッグ/埼玉弁護士会長らと共産党懇談

大倉会長(写真奥右)らと懇談する党県委員会と県議団=2014年9月9日、さいたま市

大倉会長(写真奥右)らと懇談する党県委員会と県議団=2014年9月9日、さいたま市

日本共産党埼玉県委員会と県議団は9日、さいたま市の埼玉弁護士会館で、大倉浩弁護士会長らと集団的自衛権行使反対の運動について懇談しました。荻原初男委員長、伊藤岳参院埼玉選挙区候補、柳下礼子、村岡正嗣、奥田智子の3県議が出席しました。

大倉会長は、埼玉弁護士会が集団的自衛権行使容認に反対する決議や会長声明を出し、集会やデモも行ってきたことを紹介し「間違っていることは間違っていると言わなければなりません。弁護士会だけでは広がらないので、共産党とも連帯できるところは一緒にやっていくことは大事だと思います」と語りました。

柳下県議は、県議会の自民党などが歴史教育への介入を強め、「憲法改正」を国に求める意見書を強行可決するなど、安倍政権と一体に暴走している実態を発言。村岡県議は、共産、民主、社民の3会派が秘密保護法や集団的自衛権行使容認に反対する共同声明を出すなど一致点での共同が実現していることを紹介しました。

伊藤氏が「憲法違反の閣議決定をする内閣が存在していいのでしょうか」と問いかけ、安倍内閣打倒に全力をあげる決意を述べると、大倉会長は「(安倍首相は)選挙で選ばれれば自分の自由になるように言っていますが、立憲主義がわかっていない。それができなくさせるのが憲法です」と語りました。

荻原委員長は「憲法の完全実施が日本共産党綱領がめざす社会の方向です」と説明し、一致する課題での共同を呼びかけました。(赤旗2014年9月11日付より)

埼玉県議会報告/反動・党略的な対応の自民 共産党、県民の立場貫く

閣議決定の撤回を求めてデモ行進する参加者=2014年7月4日、さいたま市

閣議決定の撤回を求めてデモ行進する(前列右から)奥田智子、村岡正嗣、(一人おいて)柳下礼子の3県議=2014年7月4日、さいたま市

埼玉県議会6月定例会は6月23日から7月11日まで開かれました。今議会では、集団的自衛権行使容認に反対する国民的世論が増す中で、それに挑戦するかのように自民党が「憲法改正案の早期作成を求める意見書」を提出し、右派の「刷新の会」とともに可決強行するなど自民党の反動的な動きが際立ちました。一方で、国民・県民の立場で奮闘する日本共産党(3人)の役割も鮮明になりました。

 

請願の採択拒否

「早期改憲」意見書に対し、唯一、討論にたった日本共産党は「(意見書が示す)憲法改定の焦点は9条改悪にあることは明白だ」と指摘。安倍政権が憲法解釈の変更で行使容認の閣議決定をしたことを批判しながら「さらに明文改憲によって9条そのものを改悪し、海外で戦争する国づくりに全面的に踏み出すことは断じて許されない」と強調しました。意見書には民主党、公明党、社民党も反対しました。議会には、多数の県民が傍聴に詰めかけ、抗議の意志を示しました。閉会後、憲法会議などが浦和駅前で抗議宣伝を行いました。

議会には、集団的自衛権に反対する2件の請願が出されていましたが、自民党、公明党、刷新の会の反対で不採択になりました。共産党は請願に対する本会議討論を行うよう、議会運営委員会で主張しましたが、自民党が拒否。共産党は「討論封殺は民主主義に照らして許されない」と抗議しました。

 

党派超え共同も

集団的自衛権をめぐっては党派を超えた共同も実現しました。安倍政権が閣議決定した1日、共産、民主、社民の3会派が閣議決定の撤回を求める共同声明を発表し、3会派の県議が浦和駅前でそろって宣伝しました。この共同は昨年の、秘密保護法反対のたたかいに続くものでした。

県政課題をめぐっても自民党の党略的な動きが目立ちました。

今議会には、さいたま市大宮区役所の移転に伴う、県有地と市有地を交換する議案が上程されていました。当初、採択の先送りをほのめかしていた自民党は「地下鉄7号線延伸」などの実現を迫る付帯決議をあげることで議案に賛成しました。共産党は「議案と関係ない内容だ」と付帯決議に反対しました。

自民党によって継続審査にされていた県教育振興基本計画について、同党の修正案が今議会で可決されました。原案をわずかに変えただけの内容で、他党からも「いたずらに空白を生んだ」と批判が続出。共産党は、同計画が全国いっせい学力テスト推進の内容を含んでいるとして、原案・修正案とも反対しました。

共産党は団長談話で、筋の通らない自民党の議会対応を批判し、猛省を求めました。(赤旗2014年8月9日付より)

平和のため、戦争を知る/埼玉で展示会

戦前・現在 資料で比較/さいたま市

「なぜ戦争するの・・・? なかよくしようよ 人間だもの」をメーンテーマに、第31回平和のための埼玉の戦争展が2~4日、さいたま市で開かれました。約7800人が来場しました。

たくさんの資料やパネルが置かれた会場=2014年8月2日、さいたま市

たくさんの資料やパネルが置かれた会場=2014年8月2日、さいたま市

参加者は、パネルや資料、戦争の証言を通じて、戦争をなくし、対話による平和を実現するために何が必要か考えました。

安倍政権が「戦争する国づくり」へと暴走するなか、展示では戦争と教育、戦争とメディアなど戦前と比較しながら現在の問題を明らかにしました。日本軍「慰安婦」問題など過去の戦争の過ちをただしながら、北東アジアの平和を実現する展望を示しました。

会場には中高生など多くの若者が訪れ、展示に見入ったり、各パネルの解説者の話を熱心に聞いたりしていました。

三郷市から来た50代の女性は「集団的自衛権の問題など政治がよくない方向にあるなかで、若い人が興味を持ってもらえる、とてもよい内容です」と話しました。

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「学童疎開」をテーマに/所沢市

「2014所沢・平和のための戦争展」が5日まで、埼玉県の所沢市役所1階市民ギャラリーで開かれています。

戦争の実相を伝えるものをはじめ、集団的自衛権や所沢の基地問題など、さまざまな展示が並んでいます。3日には、すいとん試食会や平和のうたの合唱、米軍所沢通信基地の出前講座などが行われました。

受付では、展示をもとに作ったクイズが配布され、クイズを解きながら熱心に解説を聞く中学生もいました。

3日のセレモニーであいさつした、実行委員会の山田裕事務局長は「今年は学童疎開をテーマにした展示をしている。中学校では歴史の事実をゆがめる教科書が押しつけられようとしているなかで、いま平和の活動がとても大事になっています」と述べました。

2歳の息子とともに訪れた市内の男性(32)は「集団的自衛権の話が出ているけれど、みんなが理解しないままにことが進んでいて不安。子どもが大きくなったときに心配」と語りました。(赤旗2014年8月5日付より)

【草加市】普通の人が人を殺し人間でなくなる/森永卓郎さんが講演

集団的自衛権について考える講演会が7月30日、埼玉県草加市の独協大学で開かれ、250人が参加しました。独協学園九条の会、草加革新懇、九条の会・草加、憲法改悪阻止草加共同センターの4団体の主催。

経済アナリストで独協大学教授の森永卓郎氏が講演し、集団的自衛権を行使すればアメリカの大儀のない戦争に巻き込まれる可能性が高く、自衛隊員が海外で命を落とすのと同時に人を殺すことになると指摘。特攻隊員だった父が広島で被爆したことを隠し続けていたことや、子どもの頃に「白鴎遺族会」で靖国神社に行っていた体験を語り「普通の人が人を殺し人間でなくなるのが戦争で、犠牲になるのは低所得者など弱い立場の人だ」と述べました。

参加者から、青年・学生へのこの問題への伝え方について問われた森永氏は「平和と平等の大切さを伝え続けること。そのなかで、学生たちも少しずつ理解していく」と語りました。

参加した同大学4年生の女性(21)は「自衛隊に知り合いがいるから、そういう人も戦争に行くのかなと心配。森永先生のお父さんの話は初めて聞いて、改めてもっとちゃんとこの問題を考えていかないといけないと思った」と話しました。(赤旗2014年8月2日付より)