埼玉県で日本共産党は、いっせい地方選の前半戦・後半戦あわせて改選時比16議席増の躍進を果たし、議席数、議席占有率、得票数、得票率すべてで前進しました。1975年、99年に次ぐ3番目の議席数となりました。
県議選は現有2から5に3議席増を果たし、新人3人はいずれも自民党などの現職を破っての当選。さいたま市議選は現有7から8に1議席増となりました。
改選時比12議席増となった一般市町議選は、3市3町で空白を克服したほか、4市2町で議席を増やしました。
講演依頼され
選挙期間中、共産党は「『戦争立法』など安倍政権の暴走ストップと住民との共同で要求実現を」と訴え、多くの住民から「共産党しかない」との期待が寄せられました。
県議選南2区(川口市)でトップ当選した村岡正嗣氏は選挙後、地元の連合町会幹部から「(安倍政権批判の)受け皿になったね」と声をかけられたり、市内のある事業者団体から「共産党がなぜこんなに票を伸ばしたのか聞きたい」と講演を依頼されたり…。村岡氏は「明らかに自民党という人からも『今回は共産党に入れる』という声が聞かれるなど、これまでつながっていなかった人たちとのつながりが大きく広がるのを感じた選挙でした」と振り返ります。
定数2で前原かづえ氏が勝利した県議選西5区(ふじみ野市・三芳町)では、これまで共産党支持ではなかったという男性から党事務所に電話があり、「演説を聞いたが、共産党の言っていることにはスジが通っている。『戦争立法』のことを訴えているのは共産党だけだ」との声が寄せられました。
要求実現に力
国言いなりに福祉・くらしを切り捨てる「オール与党」の地方自治体が広がるなか、国政の問題だけでなく、地方政治の問題で住民とともに力を合わせて、税金のムダ遣いを正し、要求実現に力を尽くす共産党への信頼が広がっています。これも、共産党躍進の土台となりました。
共産党候補が1位と2位で当選し、空白を克服した鴻巣市議選では、公園を廃止して総合病院を誘致しようとする市の計画に対し、共産党は「公園を存続し、総合病院は住民の合意と納得で誘致を」と訴えました。
共産党を応援した70代男性は「共産党とは考えが違うところもあるが、市が住民の声を無視して計画を進めるなか、ちゃんと住民の声を聞いてくれた」と話します。
いっせい地方選での躍進で、議会での共産党の影響力は大きくなります。
県議会に教育への政治的介入反対や幼稚園の父母負担軽減補助の復活を求める請願を提出してきた、新日本婦人の会県本部副会長の高田美恵子さん(60)は「県議会で共産党が5人に増えたのは大きい。請願を出しても、共産党がいない委員会ではちゃんと議論をしてもらえませんでした。共産党には、県民の立場で、きっぱりとものを言ってほしい」と語りました。
(しんぶん赤旗2015年5月22日付より)