埼玉/県予算要望への回答/党県議団が大野知事と懇談

日本共産党埼玉県議団は12日、2021年度県当初予算案への要望に対する回答について大野元裕知事と懇談しました。柳下礼子、村岡正嗣、秋山文和、前原かづえ、守屋裕子、秋山もえの各県議が出席しました。

大野知事は同予算案について、県税収入大幅減の見込みなどで厳しい財政の中、工夫して集中的に配分したと紹介。「来年度もコロナ対策に全力で取り組んでいく。激甚化・頻発化する災害対策にも多くの予算を確保した。デジタル化も推進していく」と強調しました。

169項目の共産党の予算要望について「可能な限り要望に沿えるよう努めた」と述べた上で、「厳しい財政のため、十分な対応ができていない項目もあるが、寄せられる要望は今後も最大限検討したい」と話しました。

同日発表された予算案には、特別支援学校1校と県立高校内分校6校の整備、特別支援学校3校の増築、児童相談所の新設準備が盛り込まれています。

柳下氏は、収入減の中でもコロナ対策や災害対策に力を入れていることを高く評価。県職員の女性幹部登用の推進にも力を入れるよう求めました。

党埼玉県委員会新型コロナ対策本部 医療機関の経営危機打開で大野知事宛に申し入れ

日本共産党埼玉県委員会の新型コロナ対策本部の荻原初男本部長は26日、砂川裕紀副知事と会い、大野元裕知事に宛てて 「新型コロナ対策にかかる医療機関に対する支援強化を求める要望書」を提出しました。
要望書では、感染拡大の防止と感染患者の治療を担ってきた医療機関が、空きベッドの確保や患者の受診抑制、検査・入院・手術の延期、健康診断の休止などで大幅な減収となり、経営悪化が進んでいると指摘したうえで、「医療の崩壊」という事態を回避し第2波の感染拡大に備えるために、県内医療機関の経営実態調査の実施や、感染症患者の受け入れで外来や入院患者が減少している病院の実態に即した財政支援など9項目について要望しています。申し入れには 、党県議団から村岡正嗣幹事長、秋山文和議員、守屋裕子議員も同席しました。
要望項目は以下のとおりです。
1.県として、緊急に県内の医療機関の経営実態調査を行うと同時に、現場の声を聴取し、今後の対策に生かすこと。
2.令和2年度県一般会計補正予算では新型コロナウイルス対策として疑い患者の入院先の確保や、人工呼吸器の設備整備、入院患者受入れに対する協力金など81億2400万円を計上しましたが、これではあまりに不十分です。さらなる補正予算を組んで、抜本的に医療機関への補償を行うべきです。特に空床補償は、6床を確保するために70床を閉鎖しなければな らない場合には閉鎖した病床すべてに支払うよう拡充すること。
3.上記の補正予算は、新型コロナ感染症に直接対応する予算措置がほとんどです。感染症患者の受け入れで、外来や入院患者が減少している実態に即した医療機関への財政支援を講じること。
4.保険請求に対する支払いは2ケ月後であることから、この6月及び7月での資金ショートを起こす懸念が現実化しています。国に対して緊急対策を求めるとともに、金融支援をはじめ県独自の支援策を講じること。
5.ECMO (体外式膜型人工肺)の操作には専門的な知識が必要です。 ECMO の機材購入に対する助成予算を増額するとともに、県の責任においてスタッフの養成を行うこと。
6.医療用マスク、フェイスシールド、防護具等がまだまだ不足しているため、関連予算を大幅に増額すること。
7.今後、コロナ感染の長期化が予想され、第2波の流行も指摘されています。そこで、さいたま市民病院の旧病棟を、中等症の患者を受け入れる感染症専門病棟として活用できるようさいたま市との協議をすすめること。
8.公立・公的病院感染症患者の受け入れ体制をさらに強化すること。また、厚生労働省が進めようとしている公立・公的病院の再編整備計画についてはいったん計画を撤回するよう国に求めること。
9.重症者の診療報酬が2倍になったとはいえ、これでは減収のごく一部の補填にしかなりません。国の第二次補正予算の編成にあたっては、昨年比での減収すべてを補填して医療機関の経営を支える観点を貫くよう国に要望すること。