埼玉県議会 小児医療センター移転費 一度削った55億円復活

埼玉県の上田清司知事は9日、16日開会予定の臨時県議会に提出する2014年度病院事業会計補正予算案を発表しました。県立小児医療センター新病院の移転建設費を資材高騰分など55億円増額し、事業費全体を約373億円にするもの。3月26日に閉会した2月議会に提出されたものと同じ内容です。

2月議会では、自民党が、センター本体工事の約300億円を随意契約したことなどを問題にし、55億円の増額分を削った修正案を提出し、賛成多数で可決していました。

しかし、9日の議会運営委員会で自民党は、今回の議案に対して発言しませんでした。

日本共産党の柳下礼子県議団長は同日、談話を出し、上田知事が2月議会と全く同じ内容の補正予算案を提出し、自民党もそれに対し問題提起しなかったことを「県民にとって理解しがたい」と批判。2月議会の集中審議で晴れなかった疑義を「この2週間でどうして納得したのか県と自民党は県民に明確な説明をすべきだ」としています。

小児医療センターについては、さいたま新都心への移転ではなく、さいたま市岩槻区の現在地に残すよう求める患者・家族、周辺住民の声があがり、20万人近い署名が県に提出されています。(赤旗2014年4月10日付より)

埼玉県議会 小児医療センター建設事業増額を認めず

26日の埼玉県議会(94人、欠員6人)本会議で、病院事業会計補正予算案のうち、県立小児医療センター移転建設事業費の55億円増額分を差し引いた修正案が自民党などの賛成多数で可決されました。

減額修正案は自民党が提出したもの。自民党など48人が賛成し、日本共産党(3人)など38人が反対しました。

共産党県議団は、増税分を差し引くことには一定の道理があるとしつつ、原案も修正案もセンターの建設推進の立場であることから反対しました。

討論で柳下礼子県議は、センターの移転が患者とその家族、地元住民の反対を押し切って知事のトップダウンで決められ、さいたま新都心への移転に固執したことが事業費増大の原因になったと批判し、「移転計画は撤回し、新都心の病院構想は全面的に見直すべきだ」と主張しました。(赤旗2014年3月28日付より)

 

関連リンク
2月定例会の県立小児医療センター関連議案について/日本共産党埼玉県議団

埼玉県予算案 党3議員が反対討論

埼玉県議会定例会は26日、2014年度一般会計予算などを自民党、民主党、公明党、刷新の会などの賛成で可決しました。病院事業会計予算は、県立小児医療センター移転事業費を一部減額する自民党提出の修正案が可決されました。5カ年計画の新教育振興基本計画は自民党が採択に難色を示し、継続審議になりました。

日本共産党は、柳下礼子、村岡正嗣、奥田智子の各県議が反対討論しました。新年度予算案について柳下氏は、県が新年度に重度心身障害者医療費助成制度に年齢制限を導入したことや、消費税増税分を県有施設使用料などに転嫁したことを批判。県立小児医療センターのさいたま新都心への移転について「計画そのものが子どもたちの命を脅かすものだ」と計画の撤回を求めました。

村岡氏は、国の制度改悪で年収910万円を超えた世帯の県立高校生を就学支援金の支給対象から外す条例案について、県立高校新入生の4分の1が授業料を払うことになると指摘。同様に私立高校新入生の3分の1は授業料が増えると述べ、「授業料無償化の世界の流れに逆行する」と批判しました。

奥田氏は、海外2カ国に計18人の議員を約2400万円かけて派遣する議案について、大雪被害などで厳しい暮らしを強いられている県民の理解は到底得られないと批判しましました。(赤旗2014年3月28日付より)

 

関連リンク
県議団 団長談話「2月定例会をふりかえって」発表/日本共産党埼玉県議団

小児医療センター移転事業 増額補正案を否決

埼玉県議会福祉保健医療常任委員会は17日、さいたま新都心(さいたま市中央区)への移転を進めている県立小児医療センター(現在地、同市岩槻区)の建設事業費を55億円増額する補正予算案について、増額分を差し引いた自民党の修正案を賛成多数で可決しました。本会議でも修正案が可決される見通しで、建設工事がストップする可能性が大きくなりました。

増額分は、建設残土の搬出先の変更による支出増12億円と、資材高騰の影響で一部工事を別途発注にしたことに伴う支出増42億円などです。

同事業は入札不調が続き、12月下旬、清水建設との間で約300億円の随意契約を結びました。

自民党は、増額を認めない理由として、巨額の事業を随意契約にしたことなどをあげました。

討論で日本共産党の柳下礼子県議は、県は増額が必要になることを昨年11月には試算していたのに、議会への報告も12月議会への補正予算の提案もなかったと批判し「着工の遅れを恐れたためで、手続きに重大な問題がある。患者置き去り、地元置き去りの計画である上に県議会すら置き去りにする拙速な計画だ」と指摘しました。

また、センターの移転計画は多くの患者とその家族、地元住民の声に背いていると、改めて計画の撤回を要求。自民党の修正案については、原案にある職員給与減額を残しているとして反対しました。

修正案は自民党以外の会派が反対して可否同数となり、委員長(自民党)が賛成して可決されました。(赤旗2014年3月19日付より)

重度障害者医療費助成 年齢制限導入に反対 柳下県議が批判

柳下礼子県議

柳下礼子県議

埼玉県議会福祉保健医療常任委員会で12日、日本共産党の柳下礼子県議が質問し、県事業の重度心身障害者医療費助成制度への年齢制限導入に反対しました。

同制度は、重度障害者の医療費自己負担分を無料にするもので、県と市町村が半額ずつ財政負担しています。県は来年1月から、65歳以上で新規に重度障害者になった人を、対象から外す計画です。一方で重度の精神障害者(1級)の通院費を助成の対象に加えるとしています。

柳下県議は、障害者から点字で寄せられた「障害の進行を防ぐことや2次障害のために健常者と比べて医療が必要」との手紙を紹介し、「切実な願いを受け止めるべきだ」と主張しました。

県側は、新規受給者の6割が65歳以上で、財政負担の増大を避けるためには改定が必要と強調。また、65歳以上は老齢年金を受給できることや後期高齢者医療制度(医療費1割負担)に加入することで、重い負担にはならないと説明しました。

柳下県議は「高齢者の生活実態を見ていない」と指摘し、重度障害者の「年齢による差別的扱いはやめるべきだ」と述べました。精神障害者への対象拡大も、2級まで広げるべきだと主張しました。

自民党や民主党、公明党などは制限導入に賛成しました。

障害者団体から制限導入に反対する請願が提出されていましたが、採択を主張したのは柳下県議だけで、不採択になりました。(赤旗2014年3月15日付より)