関東大震災での朝鮮人犠牲者追悼 さいたま市

さんの墓前で手を合わせる参加者=2014年9月4日、さいたま市

姜大興さんの墓前で手を合わせる参加者=2014年9月4日、さいたま市

1923年9月1日に起きた関東大震災で、誤った情報を元に虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼する会が4日、さいたま市見沼区の常泉(じょうせん)寺で開かれ、50人が参加しました。日朝協会埼玉県連合会(船津弘会長)の主催。

関東大震災の最中、軍隊や警察、住民が組織した自警団によって6000人以上の朝鮮人、約700人の中国人が虐殺されました。埼玉県では二百数十人の朝鮮人が犠牲になりました。常泉寺には同月4日に現在の見沼区染谷で殺害された姜大興(カン・デフン)さんの墓があります。

追悼会は、常泉寺住職の読経に続き、参加者が姜さんの墓前で焼香しました。

歴史教育者協議会の関原正裕さんが講演し、軍隊や警察が朝鮮人を守ったかのように描いた日本史教科書が県立高校の一部で採択される一方、事件を正確に記述した教科書が採択されなくなるという状況を語り、歴史をゆがめる勢力の動きに警鐘を鳴らしました。

日本共産党の青柳しんじ県議候補があいさつし「歴史の真実を隠そうとする国からの力に対し、事実を明らかにすることで対抗することが大事です」と語りました。(赤旗2014年9月5日付より)

【さいたま市】暮らし守る願い共産党へ/山下書記局長迎え演説会

声援に応える山下氏と県議・市議候補、伊藤氏=2014年8月31日、さいたま市

声援に応える山下氏と県議・市議候補、伊藤氏=2014年8月31日、さいたま市

さいたま市で31日、山下芳生書記局長を迎えた日本共産党演説会が開かれました。党さいたま地区委員会の主催。会場の埼玉会館は1、2階席ともいっぱいになり、ロビーでモニターを見ながら演説を聞く人も大勢いました。

山下氏は、来年のいっせい地方選で「国民の二つの願いを日本共産党に託してほしいと訴えたい」と語りました。第一に、日本共産党の躍進で国民の中にわき起こる「安倍政権の暴走ストップ、内閣打倒を」の願いに応えようと強調しました。

第二に、「暮らしを守る県政・市政への転換の願いを日本共産党の候補に託してほしい」と語りました。県政では知事と自民党などの県議による徹底した弱者切り捨て、教育へのきわめて乱暴な介入という異常な政治が行われ、さいたま市政では、自民党政治そっくりの暮らし・福祉破壊、大型開発推進の政治が行われていると指摘。これらの政治に対し「真っ向から対決し、住民とスクラムを組んで願いを実現しているのが日本共産党の議員です。日本共産党の候補者全員の勝利が安倍暴走政治をストップさせ、住民の願いを実現する大きな力になります」と訴えました。

いっせい地方選勝利をめざす青柳しんじ県議候補(新、南6区・同市見沼区)と、市議選候補11人が決意表明し、伊藤岳参院埼玉選挙区候補が共産党勝利を訴えました。

見沼区の男性(72)は「山下さんの話を力に共産党の値打ちを語り広げていきたい」と話しました。(赤旗2014年9月1日付より)

【さいたま市】大宮西高廃校しないで/卒業生・保護者、署名提出

さいたま市が市立大宮西高校(大宮区)を中高一貫6年制学校に移行しようとしている問題で、同校卒業生の保護者有志が22日、▽大宮西高を廃校にしないこと▽生徒募集を停止しないこと―を求める署名を690人分追加(累計1972人分)して市教委に提出し、要請しました。

5月に発表された移行案では、新校開校は2019年度で、校舎建て替えのために17年度から大宮西校の生徒募集を停止。前年の16年度入学生は下級生がいないまま卒業することになります。

計画に対し、多くの生徒や卒業生、保護者が「実質的な廃校だ」と計画に異議を唱えたため、市教委は計画の見直しを表明。今月21日に見直し案が明らかになりました。しかし、同案は募集停止を1年だけ遅らせるというもので、大宮西高生(3年生)と新校新入生(中学1年生)とのつながりは開校時の1年だけということになります。

署名提出で保護者は「部活動や生徒会などが活発な大宮西高の気風が継承できない」「(新旧生徒の)つながりが絶たれることの不利益は非常に大きい」などと訴えました。

市教委側は、募集を継続したままの建て替えはできないとの姿勢を変えず、見直し案が精いっぱいの対応だと説明しました。

要請には、日本共産党の戸島よし子、加川義光両市議、山本ゆう子市議候補(大宮区)が同席。山本氏は「中高一貫先にありきの姿勢が問題を招いている。もっと生徒や保護者、教職員の意見を聞き、計画を急ぐべきではない」と述べました。(赤旗2014年8月23日付より)

クローズアップ/俳句掲載拒否問題 さいたま市

さいたま市大宮区の三橋公民館が、同館俳句サークル会員が「9条守れ」と訴えるデモを詠んだ俳句の「公民館だより」(館報)に掲載することを拒否したことが、7月上旬に判明しました。市民からは「表現の自由を侵すものだ」と批判の声が上がっています。(埼玉県・藤中陽美)

 

市民から批判

掲載を拒否されたのは「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の句。同サークルでは、毎月会員の作品を1句選び「公民館だより」に掲載していたといいます。

日本共産党市議団や市民団体は相次いで抗議し、俳句作者への謝罪と今後の「公民館だより」への掲載、再びこのような言論・表現の制限を行わないよう求めました。

しかし、稲葉康久教育長は7月29日の定例会見で、「世論を二分する問題」をテーマにした作品は載せられないとした公民館の決定を支持し、今後も掲載をしない考えを示しました。

清水勇人市長も7月17日の記者会見で、公民館の判断を「おおむね適切」だと述べました。

日本共産党の山本ゆう子市議候補(大宮区)は「公民館の判断は憲法で保障された表現の自由を侵害し、ものが言えない社会につながります。憲法を守るべき公務員が、それに反することをするべきでありません」と話しています。


 

住民の学ぶ権利奪う

公民館が市民の俳句作品を館報に掲載することを拒否した問題―。旧浦和市と、さいたま市で公民館の館長を歴任した片野親義(ちかよし)さん(69)=元大東文化大学非常勤講師=はどう見ているでしょうか。(聞き手 埼玉県・川嶋猛)

 

元大東文化大非常勤講師
片野親義さん

片野親義さん

片野親義さん

公民館の職員を38年間務めましたが、こんなひどい問題が起きたことに衝撃を受けました。掲載拒否は、社会教育機関である公民館が行ってはならないことです。

市は自分たちが行った事の重大性を認識していないのではないでしょうか。市長は記者会見で「おおむね適切だった」と述べていますが、その根拠を示していません。教育長は「世論を二分する題材は載せない」とする一方で、「公民館での自由な活動は保障する」と言っています。明らかに矛盾しています。

憲法に挑戦

館長は、俳句を不掲載にした理由の一つを、社会教育法第23条で公民館が行ってはならないとされている行為のうち、「特定の政党の利害に関する事業」に触れるからとしています。しかし、俳句は、どう読んでも「特定の政党の利害」に影響を与える作品ではありません。

それに、第23条は公民館自らが行ってはならない行為を規制するものであって、住民の表現の自由、学ぶ権利を守るために定められている条文です。館長は、この条文を勝手に解釈し、利用者が行ってはいけないことのように誤認してしまっているのです。

もう一つの理由として、市の広告掲載基準をあげ、その中の「国内世論が大きく分かれているもの」にあたるとしています。しかし、この基準は、民間業者の広告を対象にしたもので、掲載拒否の根拠となり得ないことは明らかです。

市は「『九条守れ』のフレーズが公民館の考えであると誤解を招く」と言っていますが、俳句会の人の作品であることを住民は知っています。だから、誤解される可能性はないと思います。

公民館を規定する社会教育法、教育基本法に貫徹している理念は、憲法第26条が定める「学ぶ権利を保障する」ことです。従って、今回の市の行為は憲法に対する挑戦だとも言えます。

言論の統制

市の行為の問題点は三つあります。一つは、学ぶ権利を奪う行政の横暴な行使だということです。二つは、社会教育行政を使った言論統制であることです。黙っていたらどんどんひどくなり、戦前に復帰する危険な動きです。そして三つに、市長や教育長、館長の社会教育や公民館に対する認識が低すぎるということです。

法を無視し、勝手な解釈を住民に押しつけるやり方は、安倍内閣の手法と同じです。今回の問題は、自治体が主権者である住民と自治(平和・民主主義・人権など)の論理を構築することができないでいる状況を表しています。自治体行政の危機的状況を露呈していると思います。

(赤旗2014年8月8日付より)

平和のため、戦争を知る/埼玉で展示会

戦前・現在 資料で比較/さいたま市

「なぜ戦争するの・・・? なかよくしようよ 人間だもの」をメーンテーマに、第31回平和のための埼玉の戦争展が2~4日、さいたま市で開かれました。約7800人が来場しました。

たくさんの資料やパネルが置かれた会場=2014年8月2日、さいたま市

たくさんの資料やパネルが置かれた会場=2014年8月2日、さいたま市

参加者は、パネルや資料、戦争の証言を通じて、戦争をなくし、対話による平和を実現するために何が必要か考えました。

安倍政権が「戦争する国づくり」へと暴走するなか、展示では戦争と教育、戦争とメディアなど戦前と比較しながら現在の問題を明らかにしました。日本軍「慰安婦」問題など過去の戦争の過ちをただしながら、北東アジアの平和を実現する展望を示しました。

会場には中高生など多くの若者が訪れ、展示に見入ったり、各パネルの解説者の話を熱心に聞いたりしていました。

三郷市から来た50代の女性は「集団的自衛権の問題など政治がよくない方向にあるなかで、若い人が興味を持ってもらえる、とてもよい内容です」と話しました。

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「学童疎開」をテーマに/所沢市

「2014所沢・平和のための戦争展」が5日まで、埼玉県の所沢市役所1階市民ギャラリーで開かれています。

戦争の実相を伝えるものをはじめ、集団的自衛権や所沢の基地問題など、さまざまな展示が並んでいます。3日には、すいとん試食会や平和のうたの合唱、米軍所沢通信基地の出前講座などが行われました。

受付では、展示をもとに作ったクイズが配布され、クイズを解きながら熱心に解説を聞く中学生もいました。

3日のセレモニーであいさつした、実行委員会の山田裕事務局長は「今年は学童疎開をテーマにした展示をしている。中学校では歴史の事実をゆがめる教科書が押しつけられようとしているなかで、いま平和の活動がとても大事になっています」と述べました。

2歳の息子とともに訪れた市内の男性(32)は「集団的自衛権の話が出ているけれど、みんなが理解しないままにことが進んでいて不安。子どもが大きくなったときに心配」と語りました。(赤旗2014年8月5日付より)