集団的自衛権反対の請願・陳情 自・公などが不採択に

埼玉県議会総務県民生活委員会で7日、日本共産党の奥田智子委員は、新日本婦人の会と平和委員会が提出した、閣議決定で集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈を行わないよう求める二つの請願の採択を求めました。

請願は、民主党、社民党も賛成(民主は新婦人の請願には反対)しましたが、自民党、公明党、保守系会派「刷新の会」の反対で不採択とされました。

奥田氏は、1日に強行された閣議決定について、憲法9条のもとでは海外での武力行使は許されないという政府見解180度転換し、海外で戦争する国への道を開くものとなっていると指摘し「憲法9条を破壊する歴史的暴挙であり、立憲主義を根底から否定するものだ」と批判。「日本が戦後、他国の人を殺したり、殺されたりすることがなかったのは、憲法9条があったからこそだ」と述べ、採択を主張しました。

また、奥田氏は、高校・大学教育の無償化の前進を求める請願も採択を主張しましたが、自・公・刷新の反対で不採択とされました。(赤旗2014年7月9日付より)

教育介入開き直る 埼玉県議会・文教委委員長が回答

埼玉県議会文教委員会が昨年12月、県立高校の台湾修学旅行の学習内容に介入し、「県立高校の社会科教育の指導徹底を求める決議」を可決した問題で、県歴史教育者協議会(早川明夫会長)が同委員会に行った公開質問に10日、岩崎宏委員長が回答しました。

文教委の決議は、修学旅行の資料の日本の台湾植民地支配についての記述を「歴史的事実と相反する、もしくは未確定・ねつ造」と断定。また、台湾の人の証言を聞いた学習を「反日思想を思わせる方の話を聞かせ、贖罪(しょくざい)意識を植え付けた」と決めつけています。

公開質問は、決議の歴史認識や証言者への配慮の問題、また、審議の場に生徒の感想文を提出させ、一部の委員がインターネットに公開した問題などについて、委員会の見解を求めています。

回答は、決議について「教育局に質疑を行い、議論を尽くしたうえで採択し、可決したもの」と述べ、歴史認識について「もし異なるのであれば答弁において教育局から歴史的事実の説明がなされるべき」と責任を転嫁。感想文の流出について「委員会外のこと」として回答を避けています。

早川会長は「委員会としての見解を求めたのに委員個人の問題にして逃げている」と話しています。(赤旗2014年6月18日付より)

埼玉県議会報告 大雪被害に対応 福祉攻撃に反対 調査・論戦・交渉「早い」

埼玉県議会2月定例会は3月26日まで開かれました。また、定例会で原案が修正可決された県立小児医療センター移転事業の補正予算案をめぐり、16日に臨時会が開かれました。

日本共産党県議団は、3月2日の県議補選で当選した奥田智子氏を迎えて3人となり、大雪被害対策をはじめ県政の重要課題について調査と論戦、交渉などで実現に道を開いてきました。

3人になった党県議団。右から柳下、奥田、村岡の各氏

3人になった党県議団。右から柳下、奥田、村岡の各氏

制度実現

2月に降った記録的な大雪は甚大な被害をもたらしました。共産党県議団は、大雪直後から現地の党議員と連絡を取り合い、除雪対策など住民要望を県に届けてきました。雪で道が閉ざされる「孤立集落」が生じた問題では、秩父市からの自衛隊の災害出動要請に対し、当初、県は応じていませんでした。共産党県議団は「地元の意向を尊重するように」と、県にすみやかな対応を求め、県は直後に要請しました。

農業被害では、被災農家の実態調査や国・県への申し入れなど迅速に対応。倒壊した農業用ハウスの撤去や再建の費用を助成する制度の実現につながりました。

奥田県議は環境農林委員会で、年度内に撤去や再建が終わらなくても助成を継続するよう求めました。

議会後も、県農民運動連合会とともに、県に「補助金がどう支給されるかわからず、撤去業者と契約できない」などの実情を伝え、不安解消やさらなる負担軽減に努めるよう求めました。

昨年9月の竜巻被害を受けて、県独自の被災者支援制度が実現しました。国の制度の対象にならなかった被災者を救済するもので、住宅再建の支援金や民間賃貸住宅に避難入居した場合の家賃補助などです。9月議会での村岡正嗣県議の提案が実りました。

撤回迫る

県は来年1月から、重度心身障害者医療費助成制度から65歳以上の重度障害者手帳取得者を除外することを、障害者団体の反対を押し切って強行。年間1万3000人が制度から閉め出される試算です。共産党県議団は「障害者にとって医療は生涯にわたって必要不可欠」「わずかな年金で暮らす高齢者の実態を見ていない」と、撤回を求めました。

「埼玉の障害者福祉医療制度の充実を求める会」の平林彰代表は「共産党は、私たちが問題にしたことをいち早く取り上げて頑張ってくれました。市町村に年齢制限を実施しないよう働きかけるうえでも、県議会で問題にしてくれたことは、今後の運動につながります」と話しています。

小児医療センターの移転事業費を増額する補正予算案は、2月定例会で原案から増額分を削った修正案を同党の賛成多数で可決。県は臨時会に削除された分を復活させる補正予算案を提出しました。これに対し、自民党は議会で何の説明もせずに賛成に転じ、可決されました。

柳下礼子共産党県議団長は臨時議会閉会後、談話を出し「県民には理解しがたい」と、自民党と知事に経緯を説明するよう求めました。

共産党県議団は、定例会でも臨時会でも、センターの現地存続を求める患者・家族、周辺住民の声に応え論戦。さいたま新都心への移転に固執したことが事業費をふくれあがらせていること、知事が現在地に残すと約束したセンターの「機能」について、いまだに明らかにしていないことを指摘し、改めて移転計画の撤回を迫りました。(2014年4月23日付より)

埼玉県議会臨時会 小児医療センター移転の補正予算 共産党など反対

村岡正嗣県議

村岡正嗣県議

柳下礼子県議

柳下礼子県議

16日、埼玉県議会臨時会が開かれ、県立小児医療センターの移転建設費を55億円増額する県知事提出の補正予算案を、3週間前絵に閉会した定例議会では反対した自民党を含め、民主党、公明党、刷新の会などの賛成多数で可決しました。日本共産党、社民党などは反対しました。補正内容は、杭工事や地下駐車場などを別途発注にした分42億円、残土搬出先の変更に伴う12億円などで、定例議会で承認されなかったものと同じです。

移転工事をめぐっては、移転先のさいたま新都心の土壌から基準を超えるヒ素が検出(14日公表、判明は3月26日)されたことが問題になっています。

本会議質疑で日本共産党の村岡正嗣県議は「ヒ素を含む残土処理費用が12億円には含まれていない」と指摘。上田清司知事は「1ヶ月程度かけて詳細に調査する」としながら、補正内容は変更しませんでした。

本会議質疑後に開かれた福祉保健医療委員会では柳下礼子県議が、知事が約束した「センターの現在地に残す機能」についていまだに明らかにしていないと批判し「早急に説明会を開くべきだ」と要求。県側は「残す機能」を、今年秋に明らかにすると述べ、その前に説明をしたいと答えました。

同委員会では、予算執行にあたって「誠実な対応」と「現病院の機能保持のあり方」を早急に示すことを県に求める決議が可決されました。(赤旗2014年4月17日付より)

埼玉県議会 小児医療センター移転費 一度削った55億円復活

埼玉県の上田清司知事は9日、16日開会予定の臨時県議会に提出する2014年度病院事業会計補正予算案を発表しました。県立小児医療センター新病院の移転建設費を資材高騰分など55億円増額し、事業費全体を約373億円にするもの。3月26日に閉会した2月議会に提出されたものと同じ内容です。

2月議会では、自民党が、センター本体工事の約300億円を随意契約したことなどを問題にし、55億円の増額分を削った修正案を提出し、賛成多数で可決していました。

しかし、9日の議会運営委員会で自民党は、今回の議案に対して発言しませんでした。

日本共産党の柳下礼子県議団長は同日、談話を出し、上田知事が2月議会と全く同じ内容の補正予算案を提出し、自民党もそれに対し問題提起しなかったことを「県民にとって理解しがたい」と批判。2月議会の集中審議で晴れなかった疑義を「この2週間でどうして納得したのか県と自民党は県民に明確な説明をすべきだ」としています。

小児医療センターについては、さいたま新都心への移転ではなく、さいたま市岩槻区の現在地に残すよう求める患者・家族、周辺住民の声があがり、20万人近い署名が県に提出されています。(赤旗2014年4月10日付より)