水道料金2カ月免除、全利用者が対象 所沢・川越

所沢市議会臨時会は13日、新型コロナウイルスの影響を受ける市民への支援策として、2カ月分の水道料金を全額無料とする補正予算案を全会一致で可決しました。

対象は市内のすべての水道利用者で、一般家庭や事業所など約17万件。免除総額は約9億5000万円です。

日本共産党所沢市議団は新型コロナ対策について、市民医療センターでの発熱外来やPCR検査の実施、中小事業者への市独自の救済策、子どもの教育の補償など、市に対しこれまで4回の申し入れを行ってきました。

臨時会では、新型コロナによって売り上げが前年比20%以下に減った20人以下の小規模事業者に10万円を給付する議案も全会一致で可決されました。

平井明美市議団長は「コロナ対策については党市議団が要求していたものもあり、とりわけ水道料金の免除などは市民から助かる、ありがたいなど喜びの声が届き、評価できるものです」と話しています。

また、川越市も11日、6、7月検針分の水道の基本料金を無料にすると発表しました。対象は市内のすべての水道利用者で、免除総額は約1億2600万円。使用水量によって決まる従量料金は徴収します。

業者家賃補償、支援を 参院総務委・伊藤議員が要求

日本共産党の伊藤岳議員は4月30日の参院総務委員会で、新型コロナの影響で減収する中小事業者への家賃補償を求めました。

伊藤氏は、家賃補償をめぐる国の対策が遅れる一方、福岡市や北九州市などが財政調整基金を取り崩すなどして家賃補償を実施していると指摘。「自治体独自の家賃補償事業に地方創生臨時交付金が適用できるか」とただしました。内閣府の村上敬亮地方創生推進室次長は「家賃補助も含めて自由度高く使える。今年度の事業であれば遡及(そきゅう)して活用もできる」と述べました。

収入が前年同期比20%以上減少した事業者の地方税の徴収を無担保で1年間猶予できる改正について、伊藤氏は「幅広く適用されるのが重要だ。20%以上に至らなくとも収入減による影響を聞き取り適用すべきだ」と主張。総務省の開出英之自治税務局長は「20%未満でも個々の状況や今後の収入減少見込みに応じて判断される」と答えました。

伊藤氏は、コロナ危機で事業者が苦境に立たされる中、自治体が滞納者への差し押さえを強行する事例があると指摘。「コロナ後の経済の循環を考えても、差し押さえは控えるべきだ」と迫りました。高市早苗総務相は「納税者の個別具体的な実情を十分に把握した上で、適正な執行に取り組んでほしい」と述べました。

コロナ対策補正予算 各地で成立

PCR検査機を増設 埼玉県議会

埼玉県議会は4月30日、臨時会を開き、一般会計補正予算1件など5議案を全会一致で可決・承認しました。日本共産党は全ての議案に賛成しました。

新型コロナウイルス対策として、▽県衛生研究所のPCR検査機器増設▽かかりつけ医診断でPCR検査を行う発熱外来PCRセンターの整備▽医療機関への人工呼吸器などの導入支援▽感染症患者受け入れ病院への協力金支給や看護職員への手当の助成▽軽症者などを受け入れる宿泊療養施設の確保▽中小企業や個人事業主への県中小企業・個人事業主支援金の支給―などが盛り込まれています。

日本共産党の秋山もえ県議は福祉保健医療常任委員会で、発熱外来PCRセンターへの支援月300万円、空床補償1床当たり1日1万6190円など、医療機関への支援について、実情に比べて十分とは言えないと指摘しました。

守屋裕子県議は産業労働企業常任委員会で、経営安定資金や経営あんしん資金の申請は事業税滞納でも可能か質問。県の担当者は「事業税滞納でも可能にする」と答えました。

中小企業向け融資も さいたま市議会

さいたま市議会臨時会は1日、清水勇人市長が提出した新型コロナウイルス対策に関わる専決処分報告議案、補正予算案など8議案を可決・承認しました。日本共産党はすべてに賛成しました。

専決処分報告議案は、PCR検査体制の強化に向けた検査機器などの購入や、市内の中小企業向けの融資事業などを盛り込んだ補正予算の承認を求めるもの。補正予算案は、市内の中小企業に雇用調整助成金の申請に掛かる費用の一部を補助するものなどです。

4月30日に開かれた予算委員会で、共産党の久保美樹市議が、新型コロナの長期化が予想されるもとで、中小企業は相当な打撃だと指摘。市として中小企業向けの給付金創設を求めました。また、コロナ禍で「収入が減った」「仕事が無くなった」という市民の声を紹介し、「収入が減った労働者に手を差し伸べてほしい」と訴えました。

市側は中小企業や市民への給付金について、国や県の動向を見て検討する考えを示しました。

小規模事業者に10万円 蕨市議会

蕨市議会臨時会が1日開かれ、頼高(よりたか)英雄市長が提出した、新型コロナウイルス緊急対策に関わる補正予算案など、6議案を可決しました。

臨時会の冒頭にあいさつした頼高市長は、経済、生活支援、医療の三つの柱からなる市新型コロナ緊急対策(総事業費約2億7000万円)について説明しました。

経済の分野では、売り上げの減った小規模企業者に10万円(家賃補助加算を含めると最大15万円)を給付。生活支援の分野では、1人親家庭に臨時給付金3万円を支給する事業や、妊婦の感染予防、移動支援に「マタニティパス」(交通系ICカード)の支給などを実施。医療の分野では、医療機関などへの支援に感染防護用品の配備や市立病院の医療体制の強化などを行います。

頼高市長は「市民の健康と暮らし、事業所の営業を守るため、全力で取り組みます」と述べました。

また、4月に職員と入院患者の感染が確認された市立病院について、新規外来・救急患者の受け入れを一時停止するとともに、関係者全員のPCR検査を実施して陰性を確認するなど、感染拡大の防止措置を講じて同22日に業務を再開したことを報告しました。

医療機関に支援必要 梅村氏と川口市長

日本共産党の梅村さえこ衆院北関東比例予定候補と同埼玉県議団は28日、川口市の奥ノ木信夫市長と懇談し、新型コロナウイルスに関わる小規模事業者や医療機関への市独自の支援策について聞きました。柳下礼子、村岡正嗣両県議、金子幸弘市議が参加しました。

奥ノ木市長は、市独自に新型コロナの影響で売り上げが減少した小規模事業者に一律10万円を支給し、国の中小企業向け給付金の対象とならなかった事業者にも支援を予定していると説明。「弱い立場の人ほど支援を受けられない。ハードルをなくした支援が必要」と語りました。

また、市内の四つの医療機関から意見を聞いた上で、新型コロナ感染者の受け入れや、それに伴い医師や看護師が感染し、休業となった民間医療機関への支援策を決めたことを紹介。すでに市内の医療機関で新型コロナ感染者を受け入れており、素早い支援が必要だと述べました。

梅村氏は「国の補正予算案にはPCR検査センター設置のための予算が含まれておらず、川口市がやられているような支援も、本来は国がやるべきです」と話しました。

奥ノ木市長は「国の本格的な財政支援が必要ですね」と応じました。