埼玉県議会2月定例会は3月26日まで開かれました。また、定例会で原案が修正可決された県立小児医療センター移転事業の補正予算案をめぐり、16日に臨時会が開かれました。
日本共産党県議団は、3月2日の県議補選で当選した奥田智子氏を迎えて3人となり、大雪被害対策をはじめ県政の重要課題について調査と論戦、交渉などで実現に道を開いてきました。
3人になった党県議団。右から柳下、奥田、村岡の各氏
制度実現
2月に降った記録的な大雪は甚大な被害をもたらしました。共産党県議団は、大雪直後から現地の党議員と連絡を取り合い、除雪対策など住民要望を県に届けてきました。雪で道が閉ざされる「孤立集落」が生じた問題では、秩父市からの自衛隊の災害出動要請に対し、当初、県は応じていませんでした。共産党県議団は「地元の意向を尊重するように」と、県にすみやかな対応を求め、県は直後に要請しました。
農業被害では、被災農家の実態調査や国・県への申し入れなど迅速に対応。倒壊した農業用ハウスの撤去や再建の費用を助成する制度の実現につながりました。
奥田県議は環境農林委員会で、年度内に撤去や再建が終わらなくても助成を継続するよう求めました。
議会後も、県農民運動連合会とともに、県に「補助金がどう支給されるかわからず、撤去業者と契約できない」などの実情を伝え、不安解消やさらなる負担軽減に努めるよう求めました。
昨年9月の竜巻被害を受けて、県独自の被災者支援制度が実現しました。国の制度の対象にならなかった被災者を救済するもので、住宅再建の支援金や民間賃貸住宅に避難入居した場合の家賃補助などです。9月議会での村岡正嗣県議の提案が実りました。
撤回迫る
県は来年1月から、重度心身障害者医療費助成制度から65歳以上の重度障害者手帳取得者を除外することを、障害者団体の反対を押し切って強行。年間1万3000人が制度から閉め出される試算です。共産党県議団は「障害者にとって医療は生涯にわたって必要不可欠」「わずかな年金で暮らす高齢者の実態を見ていない」と、撤回を求めました。
「埼玉の障害者福祉医療制度の充実を求める会」の平林彰代表は「共産党は、私たちが問題にしたことをいち早く取り上げて頑張ってくれました。市町村に年齢制限を実施しないよう働きかけるうえでも、県議会で問題にしてくれたことは、今後の運動につながります」と話しています。
小児医療センターの移転事業費を増額する補正予算案は、2月定例会で原案から増額分を削った修正案を同党の賛成多数で可決。県は臨時会に削除された分を復活させる補正予算案を提出しました。これに対し、自民党は議会で何の説明もせずに賛成に転じ、可決されました。
柳下礼子共産党県議団長は臨時議会閉会後、談話を出し「県民には理解しがたい」と、自民党と知事に経緯を説明するよう求めました。
共産党県議団は、定例会でも臨時会でも、センターの現地存続を求める患者・家族、周辺住民の声に応え論戦。さいたま新都心への移転に固執したことが事業費をふくれあがらせていること、知事が現在地に残すと約束したセンターの「機能」について、いまだに明らかにしていないことを指摘し、改めて移転計画の撤回を迫りました。(2014年4月23日付より)