“支援期間を延ばして” 大雪被害農家 再建には時間

埼玉・深谷を奥田県議調査

奥田智子埼玉県議は9日、2月の大雪で被害を受けた深谷市の農業施設を調査し、農家から要望を聞きました。

山口さん(左)から被害状況や要望を聞く奥田県議(右)=2014年3月9日、深谷市

山口さん(左)から被害状況や要望を聞く奥田県議(右)=2014年3月9日、深谷市

ビニールハウスを使ってミニトマトを栽培している山口一郎さん(埼玉産直センター専務理事)は、経営するビニールハウス16棟のうち12棟が雪で倒壊しました。倒壊した約1500平方メートルのハウスは、柱や梁(はり)が雪の重みでグニャリと曲がり、中のミニトマトは出荷できない状態です。ハウスはつくりが頑丈なために専門業者でなければ撤去できず、撤去・再建の依頼が集中し、業者からは「作業は早くて秋になる」と言われています。

山口さんは「1000平方メートル程度のハウスを撤去するのに2週間、そのあと新しいハウスを建てて農業を再開するまでに2ヶ月はかかります。国や県は手厚い支援策をとってくれたが、今のままでは年度内の期限までに間に合わない農家が必ず出ます。支援策の期限をもっと延ばしてほしい」と強く求めました。また、手続きに手間がかかる県の融資制度について、もっと使いやすくしてほしいと話しました。

奥田県議は「収穫できなければ収入が途絶えてしまうし、二重ローンを抱える農家もいると思います。農家のみなさんをしっかりと支えるよう県に強く求めていきます」と話しました。(赤旗2014年3月11日付より)

被害農家再建 埼玉県が予算案

埼玉県は6日、国が大雪被害の農業支援策として、農業用ハウスの撤去費用などの公費補助を拡充したことを受け、県の支援策として各種助成の割合を引き上げることを決めました。

県は倒壊した農業用ハウスの撤去費用や農業生産施設の再建などにかかる費用の一部を助成するため34億円(国庫支出金を除いた県費負担10億円)の補正予算案を3日、県議会に提出していました。これを97億円(国庫支出金、地方交付税を除いた県費負担12億円)に大幅に増額して修正し、11日に再提出します。

県は、県農業災害対策特別措置条例や国の支援策に基づき被災農家を支援。倒壊したハウスなどの解体・撤去費用、次期作の種苗代や肥料代の助成、農業生産施設の再建費用の助成を行います。

国・県・市町村が助成することで、ハウスのなどの撤去費用は農家負担をゼロにし、再建費用は農家負担を1割に抑えます。

日本共産党は、国会議員や県議、市町村議を先頭に現地調査を行い、支援の拡充を求めてきました。(赤旗2014年3月7日付より)

大雪被害からの再建費用 農家負担1割に

各省庁に要請する(奥右から)塩川、柳下、伊藤、奥田の各市と市町議員=2014年3月6日、衆院議員会館

各省庁に要請する(奥右から)塩川、柳下、伊藤、奥田の各氏と市町議員=2014年3月6日、衆院議員会館

日本共産党埼玉県委員会と県議団は6日、2月14日から15日にかけての大雪で被害を受けた農家や中小業者、住民の救済を各省庁に要請しました。塩川鉄也衆院議員、柳下礼子、奥田智子両県議、秩父市、深谷市、熊谷市、小鹿野町の各議員、伊藤岳県民運動委員長、柴岡祐真北部地区委員長が参加しました。

農業分野では、農業用ハウスの倒壊など甚大な被害が生じており「復旧が遅れれば産地全体の死活問題になりかねない」として、営農意欲を失わせないよう一刻も早い支援を求めました。

倒壊したハウスや畜舎などの撤去、再建費用について農家負担をなくすよう求めたのに対し、農水省は3日に発表した追加支援対策を説明。国と地方自治体が協力して、再建費用は農家負担を10分の1にし、撤去費用の負担はゼロにすると述べました。

また、農業継続をあきらめた農家のハウス撤去費用について環境省の施策で負担をゼロにすると説明。支援の対象も認可農家などに限定せず、全ての農家を対象にすると話しました。

ほかにも苗の購入費助成や畜産農家支援、メーカーへの農業資材の供給要請などの対策を説明しました。

参加者が、資材不足でハウスの再建に数年かかると見られていることから「支援を単年度で区切らないでほしい」と求めたのに対し、農水省は「農業経営を維持することが最大の目的なので、(2015年度以降は)その時点で対応を考えていきたい」と答えました。

要請後、塩川議員は、国の支援の拡充を歓迎し「営農、営業、暮らしを守るために現場の要望を届けていきます」と語りました。

日本共産党は、国や各自治体に対し、現地調査をもとに「従来の枠にとどまらない支援」を求めてきました。(赤旗2014年3月7日付より)

局地的豪雪支援求める 塩川議員が迫る

日本共産党の塩川鉄也議員は衆院総務委員会(2月27日)で、積雪地域にも指定されていない地域では雪寒法に基づく道路の除雪費への支援策もなく、幹線市町村道の除雪費への臨時特例措置も従来では適用されないことを指摘し、局地的な豪雪に着目した支援を求めました。

また、損壊したカーポート(駐車場の屋根)等の処理を自治体が環境省の「災害廃棄物処理事業費補助金」を活用して行う場合、「積雪1メートル」の基準にとらわれず、今回のように過去最高の雪が降った地域に適用するよう求めました。

塩川氏は、倒壊した農業用ハウスの解体や再建の際には「経営体育成支援事業」が活用できることを農林水産省の担当者に確認。被災農家から「二重ローンは耐えられない」とローンの据え置きを求める声があがっていることを示し、「新規融資にあたり、5年くらいの元利償還の据え置き期間が必要ではないか」とだたしました。

農水省の岡田憲和審議官は「特段の配慮を行うよう関係金融機関に要請した」と答えました。(赤旗2014年3月7日付より)

雪害「長い支援必要」 塩川議員に農家切々 埼玉・秩父

日本共産党の塩川鉄也衆院議員が4日、大雪被害対策として国や地方自治体が打ち出し始めた支援策について、被災農家の受け止めや要望を聞くために埼玉県秩父市を訪れました。斎藤かつしげ、出浦あきえ、新井こういち、山中すすむの各市議と出浦正夫小鹿野町議が同行しました。

埼玉県秩父市の下吉田地区で被災農家から話を聞く塩川議員(左から3人目)=2014年3月4日

埼玉県秩父市の下吉田地区で被災農家から話を聞く塩川議員(左から3人目)=2014年3月4日

荒川日野地区で、秩父市農業委員会の新井潤一会長、秩父観光いちご組合の町田裕組合長らと懇談しました。

新井会長は「秩父の農業が途切れてしまうのではと心配している」と述べ、後継者がやる気を持てる対策を講じてほしいと訴えました。町田組合長は、倒壊した農業用ハウスの再建に資材不足などから1年半待たされる場合もあるとして「1年間だけでなく2~3年は支援が必要です」と話しました。

訪ねた農家からハウスの自力撤去に補助が出るのかとの質問が出ました。塩川議員は、紙智子参院議員の質問に農水省が「労賃相当分の補助が可能」と答弁したことを紹介。農家は「はっきり支援されるとわかれば継続の意欲も出てくる」と述べました。

下吉田地区では、イチゴやキュウリ、シイタケ、養豚などの農家から話を聞き、ここでも「長期の支援が必要」「はっきりした情報がほしい」と要望されました。

塩川議員は、国がハウス撤去や再建費用の補助を増やし、農家負担を小さくしようと動いていることを語り「みなさんの声が国を動かしています」と激励。農業を続けられるよう国や県にさらに働きかけていくと述べました。

市役所では市の担当者と農業被害や除雪、雪崩対策、商工業の被害補償などについて意見を交換しました。(赤旗2014年3月5日付より)